第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

一般演題

シーケンス

シーケンス3

2014年9月19日(金) 14:20 〜 15:00 第4会場 (3F 源氏の間北)

座長:瀧澤将宏(株式会社日立メディコ MRIシステム本部)

[O-2-225] Dual Echo-Turbo Spin Echo法においてk-space orderingがT2値測定に与える影響

曽宮雄一郎1, 京谷勉輔1, 西井達矢2, 河野淳2, 川光秀昭1, 高橋哲1, 杉村和朗2 (1.神戸大学医学部附属病院 医療技術部放射線部門, 2.神戸大学医学部附属病院 放射線科)

【背景および目的】心筋梗塞や心筋の浮腫などの病的変化により心筋のT2値が延長することは広く知られており、定量的な評価として、T2mappingによるT2値測定の臨床応用が期待されている。しかし、これまで報告されている心筋領域のT2mappingは、呼吸同期、心電同期を併用したMulti Echo-Turbo Spin Echo法であり、撮像時間の延長は避けられない。今回我々が、検討したDual Echo-TSE法は、1回息止めで画像取得が可能であり、臨床において利用可能であるが、2pointから成るT2mappingは、正確なT2値測定精度が担保されるのかという点において疑問が残る。そこで、本研究は、Dual Echo-TSE法においてT2値測定精度が担保される最適なk空間の充填方法について検証を行うことを目的とした。【方法】心筋のT2値に相当するファントムを自作し、まず、はじめに6pointのMulti Echo-TSE法でT2mappingを取得し、基準T2値を求めた。次に、Dual Echo-TSE法でheart rate 60bpmになるよう模擬心電波形を併用し撮像を行った。撮像条件は、TR=2000ms、TSE factor=16、first TE =15±5ms、second TE=100msとし、収集する2点それぞれのk空間充填方法を変更した。k空間の充填方法は、1)linear / reverse linear、2)low_high / linear、3)low_high / reverse linear、4)low_high / low_high、5)low_high / high_lowの5通りの組み合わせで、それぞれ得られたT2値と基準T2値の比較を行った。【結果】2点のTEから得たT2mapはk空間充填順序を変化させることで、得られるT2値に有意差がみられた。first TE, second TEともにlow_highでk空間を充填することで6pointのMulti Echo-TSE法で得た基準値との差が少ない結果となった。また誤差率も小さい結果となった。よって、2pointから成るT2mappingでもT2値測定精度が担保できると考えられ、臨床利用に可能であるということが示唆された。