第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

一般演題

造影剤-基礎

造影剤-基礎1

2014年9月19日(金) 09:30 〜 10:20 第5会場 (3F 源氏の間西)

座長:森勇樹(大阪大学 免疫学フロンティア研究センター 生体機能イメージング)

[O-2-242] 液相合成法によるフェライト系磁性超微粒子体の磁気特性評価

八木一夫1,2, 原田雄二郎2, 水谷大地2, 田中孝則2, 杉本聖一3, 稲葉忠司2 (1.首都大学東京大学院人間健康科学研究科 放射線学域, 2.三重大学大学院工学研究科, 3.都立産業高専 ものづくり工学科)

【目的】より優れた磁気特性を有する新たな磁性微粒子の創製を目指し,MxMyO・Fe2O3の組み合わせにより種々のフェライト微粒子を作製し評価した.【方法】 1.試料作製には共沈法を応用し化学合成した.MxMyO・Fe2O3微粒子の作製法を示す (1) M2+,Fe2+,Fe3+のモル比率を変化させた溶液を,酸化防止のためのArガスを通付加した蒸留水に溶解させ,M2+,Fe2+,Fe3+の混合溶液を得る.この混合溶液を攪拌しながら363[K]に加熱保持する. (2) この混合溶液にNaOH水溶液を適量添加しpHを調整する.この状態で60分間還流加熱し,溶液のpHを測定する.(3) 冷却後,遠心分離機により3000[rpm]で15分間遠心分離を行い、沈殿物を得る.(4) 沈殿物を2回洗浄した後,液体窒素に浸けて凍結させ,凍結乾燥機によって微粉体試料を得る.2.1 磁気測定.試料の磁気測定装置には振動試料型磁力計(VSM-5, 東英工業(株)製)を用い,室温計測した.磁化曲線を描き最大印加磁場16[kOe]での単位質量あたりの飽和磁化値を求めた.2.2 組成分析電子線プローブマイクロアナライザ(EPMA,JEOL JXA8900R)及びX線回折装置(X-Pert MPD型Phillips)粉末X線回折装置((XRD) : UltimaIV,リガク)を用いて組成分析した.2.3 粒子観察 透過型電子顕微鏡(日立(株)製:H-9000)を用い試料を観察し粒子径の測定を行った.4 実験条件1:フェライトの逆スピネル構造より二価:三価=1:2に設定し、Mx,Myの組み合わせを変えることで磁気特性に与える影響を調べた.2:実験1より,Co2+とZn2+とFe2+とFe3+の組み合わせが良好な磁気特性を示した.Co2+のモル比xを変えることで,飽和磁化値の変化を調べた.5.実験結果Mx,Myのモル比率を変化させ,飽和磁化値と組成比率,粒子径の関係について調べた。全ての試料において,同じ共沈法で作製したFe3O4微粒子より高い飽和磁化値を示した.Zn2+の添加によりFe3O4と比較してZnFeO・Fe2O3の飽和磁化値が増加した.