第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

一般演題

造影剤-基礎

造影剤-基礎2

2014年9月19日(金) 10:20 〜 11:00 第5会場 (3F 源氏の間西)

座長:岡田知久(京都大学医学部附属病院 放射線診断科)

[O-2-249] 抗II型コラーゲン抗体関節炎モデルマウスにおける造影MRマイクロイメージングを用いた滑膜透過性の解析

山崎文恵1, 大橋好偉2, 早川実佳2, 佐藤かおり1,2, 佐藤慶太郎2, 村上政隆3, 近藤壽郎1, 瀬尾芳輝2 (1.日本大学松戸歯学部 顎顔面外科学, 2.獨協医科大学医学部 生理学(生体制御), 3.生理学研究所 ナノ形態生理研究部門)

【目的】7 T MRマイクロイメージング装置を用いて, 正常マウスおよび関節炎モデルマウスの顎関節造影MRI撮像をおこない, 関節炎によるマウス顎関節の滑膜透過性の変化について解析をおこなった.
【方法】実験にはガス麻酔下の雄性C57/BL6マウス(5-8週齢)を用いた. 関節炎は関節炎惹起用モノクローナル抗体カクテル (Chondrex, Inc.) を用いて, 抗II型コラーゲン抗体関節炎 (Collagen Antibody-Induced Arthritis: CAIA) を惹起させたモデルマウスを用いた. 撮像には高磁場MRマイクロイメージング装置 (7 T AVANCE III, Bruker) と直径9mmのSurface coilを使用した. 撮像設定は第41回本大会において報告した条件下にておこなった. 顎関節造影は, マウス大腿静脈から造影剤を投与し撮像した.
【結果】正常マウス顎関節において, 分子量の大きいGd-albumin (gadolinium-labeled albumin: 92 kDa) 造影剤は関節円板周囲の信号強度に変化を示さなかった. しかし, CAIAモデルマウスにおいては円板周囲がT1強調MRIで高信号となった.
【結論】CAIAモデルマウスにおいて, 円板周囲に造影効果を示したことから, 関節炎により滑膜の透過性が上昇し, 滑液中にGd-albuminが漏出したと考えられる. 本手法によりマウス顎関節関節炎による滑膜の機能的変化を生体マウスで解析することができた.