第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

一般演題

マイクロイメージ

マイクロイメージ1

2014年9月19日(金) 11:00 〜 12:00 第5会場 (3F 源氏の間西)

座長:瀬尾芳輝(獨協医科大学医学部 生理学教室(生体制御)

[O-2-255] Diffusion Kurtosis ImagingにおけるPhantom素材の検討

城本航1, 琴浦規子1, 菊池圭祐1, 中川英雄1, 榎卓也1, 柴山弘寛1, 安藤久美子2, 村田勝俊3 (1.兵庫医科大学病院 放射線技術部, 2.兵庫医科大学 放射線医学教室, 3.シーメンスジャパン株式会社 リサーチ&コラボレーション部)

【目的】Kurtosisを計測するためにはなるべく大きなb値での測定を含めることが望ましいが,高b値ではノイズの影響が強くなり,Kurtosisの過大評価が懸念される.これまで我々はDKIのProtocolの最適化の検討をしてきているが,その最適化の過程では自由拡散をしている被写体におけるb値と信号の対数との直線性が担保される領域,即ちノイズの影響が少ない領域を知ることが重要となる.この直線性を知るためには人体の脳(例:白質)と同等な拡散係数を持つ自由拡散のファントムの作成が必須となる.今回,我々は安価,かつ安定したファントム素材を検討したので報告をする.【使用機器】MR装置は,SIEMENS社製MAGNETOM Avanto1.5Tを使用した.使用コイルは,8ch head Matrix Coilを用いた.ファントムは,NiSO4×H2Oファントムと脳白質近似ファントムとしてC7H5NO3S水溶液,乳酸菌飲料水溶液を用いた.【方法】Diffusion Weighted Imaging(DWI)のmotion probing gradient(MPG)の印加軸数を1軸に設定し,b値を0~2500s/mm2に変化させてNiSO4ファントムを撮像し,その結果からノイズと考えられる信号レベルを確認した.DKIの対象は成人脳白質とし,健常ボランティアのADC値を求めた.ADC値が成人脳白質とほぼ同じとなる白質近似ファントムを検証するためC7H5NO3S水溶液,乳酸菌飲料水溶液を同様に撮像した.ファントムと実際の成人脳白質のb=0の信号値は異なるため,実測データを成人脳白質のb=0の信号値となるよう補正し,ファントムと成人脳白質のDKIを比べ検討をおこなった.なお,この検討は院内倫理委員会にて承認を得ている.【結果】C7H5NO3S水溶液は飽和状態となるまで溶質を溶かさなければADCが成人白質と近い値とならず,再現性に乏しい.また,乳酸菌飲料水溶液は市販のもので安価で入手でき再現性もよくADCも成人白質と近い値となった.