第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

一般演題

ハードウエア

ハードウエア2

2014年9月19日(金) 14:20 〜 15:00 第5会場 (3F 源氏の間西)

座長:拝師智之(株式会社エム・アール・テクノロジー)

[O-2-260] 小児骨年齢計測用コンパクトMRIにおける静磁場安定性と均一性の向上

石圭一郎, 寺田康彦, 巨瀬勝美 (筑波大学大学院 数理物質科学研究科)

【はじめに】我々が現在開発している,小児骨年齢計測用コンパクトMRIシステムは,温度係数が非常に大きい(~1000ppm/℃)永久磁石を使用している.そのため,勾配磁場コイルやシムコイルの発熱の影響を受け,共鳴周波数のドリフトと静磁場分布の変化を生じてしまう.また,得られた画像を元に,正確な骨年齢診断を行うにはさらなる画質の向上が不可欠である.今回,これらの問題を解決するために,静磁場安定性と均一性の向上を行ったので報告をする.
【方法】勾配磁場コイルの発熱の影響を抑えるため,コイルを水冷した.円形に切ったFRP板にソフトチューブを渦巻き状に巻いたものを,勾配磁場コイルとポールピースの間に充填し,28℃に温度調節した水を通水した.また,静磁場均一性を向上させるために,シングルチャンネルシムコイル(SCSC)の改良を行った.静磁場不均一性による,局所的な磁場勾配を抑制するように設計方法を改良した.
【結果】通水の有無のそれぞれについて,Gradient echo法を使用した撮像を長時間連続で行い,その間のポールピース温度,共鳴周波数の変動,静磁場分布を調べた.その結果,通水が磁石の温度安定性に有効であることを確認した(図左).また,設計したSCSCによって,静磁場の均一性が改善されていることを確認した(図右).