第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

一般演題

ハードウエア-コイル技術

ハードウエア-コイル技術

2014年9月19日(金) 15:00 〜 15:50 第5会場 (3F 源氏の間西)

座長:松田豪(GEヘルスケア・ジャパン株式会社 技術本部研究開発部MR研究室)

[O-2-264] Special Purpose coilを用いた角度および位置依存性に関する基礎的検討

宮原可名恵, 鈴木大介, 吉村祐樹, 宮田一郎, 小林有基 (岡山済生会総合病院 画像診断科)

[背景・目的]当院で新しく導入したSpecial Purpose coil (以下SPC) は、限局した部位で高分解能の撮像が可能である。しかし、ポジショニングの際に設置するコイルの角度や位置の違いにより、得られる信号強度の低下を経験した。そこで今回SPCの角度や位置によるSNRの変化について検討した。[方法]使用機器はMAGNETOM Skyra 3.0 T (SIEMENS) 、自作ファントム(10 mlの注射器にサラダ油を封入したもの) にSPCを巻き、寝台に置いた。ファントム内の液面安定のため5分程度静置した。TSE法にて、TR 2500 msec TE 12 msecスライス厚2 mm transvers FOV50 mmにてファントムを寝台に対して平行に0°~90°に傾けた。また、ファントムを寝台中央からx軸方向、y軸方向に信号が検出できる範囲において位置を変化させた。同一条件で2回撮像し、得られた画像から差分マップ法にてSNR mapを作成し、関心領域を設定し、SNRを測定した。[結果]関心領域のSNR値は角度0°で平均108.3、90°で平均70.1と変化した。また、x軸方向ではSNR値が寝台中央上を基準に0 cm~18 cmで118.9~133.8、y軸方向では寝台中央上を基準に0 cm~26 cmで93.8~108.3と大きな変化は認められなかった。[考察]SNRが角度によって変化した理由は、コイルの角度の変化によってスピンから見たコイルの面積は異なり、コイル内に流れる電流も変化し、検出される信号強度が変化するためと考える。また、位置によって大きな変化を認めなかった理由は、撮像ごとのシミングにより、磁場が均一に保たれたためSNRに変化が認められなかったと考える。[結語]今回の検討では、位置依存性はなかったが角度依存性はあった。