[O-2-266] MR内視鏡システムにおける腔内RFコイルによる動物胃病変モデルのイメージング
【目的】
MR下で消化管内視鏡検査・治療を可能とするMR内視鏡システムの構築を進めている。これまで、消化管内部からMRI信号を受信する腔内RFコイル、そのコイルのリモートチューニング・マッチング、内視鏡の位置・姿勢に対応して内視鏡映像とMRI画像を提示するナビゲーション、などを開発し報告した。今回は、動物の胃に病変モデルを作成して、腔内RFコイルによる病変部位の描出を試みた。
【方法】
GE製1.5T-MRI装置を使用し、製作した受信専用のサーフェス型腔内RFコイル(2巻、約40mm×50mm)、MR対応内視鏡、および改良したナビゲーションシステムを用いた。動物はブタ(34.0kg)を用いた。通常の内視鏡(MR非対応)を用いて内視鏡的粘膜下層剥離術および内視鏡的粘膜切除術により、胃の粘膜から粘膜下層までを3ヵ所剥離して、潰瘍モデルを作成した。潰瘍モデル部位をMR撮像するために、勾配磁場センサを組み込んだMR対応内視鏡とナビゲーションシステムを用いて潰瘍モデル3ヵ所の座標を計測し撮像範囲を決定し、FSE法でT2強調画像を撮像した。なお、腔内RFコイルの胃腔内への挿入と潰瘍モデル箇所への設置は、MRI室外で通常の内視鏡を用いて行い、MRI装置へ動物を設置後にネットワーク・アナライザにてRFコイル共振特性の計測を行った。
【結果】
潰瘍モデル近傍に設置した腔内RFコイルの共振特性は、Q値が約24で、最適な共振周波数(63.8MHz)、インピーダンス(50Ω)に調整が困難であった。しかしながら、空間分解能0.313mm×0.500mm×3.0mmで、ブタ胃の正常部位では約5層の胃壁構造を描出でき、潰瘍モデル部位では粘膜から粘膜下層までが欠如した層構造を描出し得た。
【結論】
胃腔内に挿入・設置後のRFコイル共振特性を最適調整できなかったものの、MR内視鏡システムにより動物実験で胃潰瘍部位を描出、識別出来る事を示せた。今後は、動物実験における腔内RFコイル共振特性のリモートチューニング・マッチングの自動化と調整精度の向上、画質改善などを行う。
MR下で消化管内視鏡検査・治療を可能とするMR内視鏡システムの構築を進めている。これまで、消化管内部からMRI信号を受信する腔内RFコイル、そのコイルのリモートチューニング・マッチング、内視鏡の位置・姿勢に対応して内視鏡映像とMRI画像を提示するナビゲーション、などを開発し報告した。今回は、動物の胃に病変モデルを作成して、腔内RFコイルによる病変部位の描出を試みた。
【方法】
GE製1.5T-MRI装置を使用し、製作した受信専用のサーフェス型腔内RFコイル(2巻、約40mm×50mm)、MR対応内視鏡、および改良したナビゲーションシステムを用いた。動物はブタ(34.0kg)を用いた。通常の内視鏡(MR非対応)を用いて内視鏡的粘膜下層剥離術および内視鏡的粘膜切除術により、胃の粘膜から粘膜下層までを3ヵ所剥離して、潰瘍モデルを作成した。潰瘍モデル部位をMR撮像するために、勾配磁場センサを組み込んだMR対応内視鏡とナビゲーションシステムを用いて潰瘍モデル3ヵ所の座標を計測し撮像範囲を決定し、FSE法でT2強調画像を撮像した。なお、腔内RFコイルの胃腔内への挿入と潰瘍モデル箇所への設置は、MRI室外で通常の内視鏡を用いて行い、MRI装置へ動物を設置後にネットワーク・アナライザにてRFコイル共振特性の計測を行った。
【結果】
潰瘍モデル近傍に設置した腔内RFコイルの共振特性は、Q値が約24で、最適な共振周波数(63.8MHz)、インピーダンス(50Ω)に調整が困難であった。しかしながら、空間分解能0.313mm×0.500mm×3.0mmで、ブタ胃の正常部位では約5層の胃壁構造を描出でき、潰瘍モデル部位では粘膜から粘膜下層までが欠如した層構造を描出し得た。
【結論】
胃腔内に挿入・設置後のRFコイル共振特性を最適調整できなかったものの、MR内視鏡システムにより動物実験で胃潰瘍部位を描出、識別出来る事を示せた。今後は、動物実験における腔内RFコイル共振特性のリモートチューニング・マッチングの自動化と調整精度の向上、画質改善などを行う。