第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

一般演題

灌流-基礎

灌流-基礎

2014年9月20日(土) 11:20 〜 12:10 第2会場 (3F 源氏の間東)

座長:掛田伸吾(産業医科大学 放射線科学教室)

[O-3-288] Dual phase pseudo Continuous Arterial Spin Labeling(pCASL)による頭蓋内非造影MR Angiographyの検討

中村理宣, 米山正己, 小原真, 武村濃, 奥秋知幸, 宮本慎也, Marc Van Cauteren (株式会社フィリップスエレクトロニクスジャパン)

【背景・目的】
Arterial spin labeling(ASL)の技術を用いた非造影MRAは、高空間分解能と広範囲撮像という特徴により頭蓋内動脈ならびに肺動脈や腎動脈に応用されている。ASL-MRAは標識された血液スピンが主幹動脈から末梢動脈に存在する時間帯でデータ収集し動脈を高信号に描出する撮像法である。しかし、動脈信号はラベリング後の遅延時間に依存し血流速の差により主観動脈と末梢動脈に信号強度差が生じる。そのため一定の遅延時間では側副血行路など到達遅延を示す動脈を評価することは困難である。今回の目的は2時相データ収集を可能としたDual phase pCASLを用い流速による信号強度差のない非造影MRAの取得である。
【方法】
本手法は、pCASLによるラベリング後Look-Lockerサンプリングを併用した4D- T1TFEシーケンスを用いデータ収集を行った。使用機器は3.0TMR装置(Achieva 3.0T、Philips)、32ch SENSE head coilとし、IRBの承認を得たボランティアを対象とした。検討内容は撮像シーケンスの最適化および動脈血管描出脳はTOF、MRDSAと比較を行い評価結果に対しkappa 統計量を求めた。
【結果・結語】
Dual phase pCASLによるMRAはTOFと比較し末梢動脈の描出脳が向上した。またMRDSAと比較し同等の動脈血管描出能を示した。Dual phase pCASLによる非造影MRAは血流速の差により主観動脈と末梢動脈に信号強度差を改善し脳血管障害などの臨床評価に有効な情報を提供することが示唆された。