第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

一般演題

拡散-基礎

拡散-基礎2

2014年9月20日(土) 09:40 〜 10:40 第3会場 (3F 源氏の間南)

座長:阿部修(日本大学医学部 放射線医学系画像診断学分野)

[O-3-293] Intravoxel incoherent motion の尖度を測定する方法

梅沢栄三1,2, 石原大地2, 世古翔太3 (1.藤田保健衛生大学医療科学部 放射線学科, 2.藤田保健衛生大学大学院保健学研究科 医用放射線科学領域, 3.さくら総合病院 放射線科)

【背景】現在測定されている拡散尖度は,純粋な拡散尖度ではなく,灌流の影響を大きく受けており,この影響を完全に取り除くことは一般には困難である.今回,拡散と灌流を合わせた Intravoxel incoherent motion(IVIM)の尖度を求める方法を提案し,この方法の臨床的有用性を調べる.
【方法】
[測定法] 尖度を測定する数種類の方法がある.各方法とも何らかの近似を行うため,それに起因する系統誤差が尖度には含まれる.この系統誤差は較正で除去できることが予想される.一方,尖度には統計誤差も含まれる.統計誤差は較正では除去できないので,校正を適用する測定方法には統計誤差が小さい方法が望ましい.そこで,キュムラント母関数法(Diffusion kurtosis imaging: DKI) よりも系統誤差は大きいが統計誤差の小さい特性関数法を採用し,較正を行う方法を考案する.
[数値実験] 前立腺癌を対象にする.bi-exp. 型拡散に mono-exp. 型灌流が混入している信号模型を使う.模型パラメーターには他の研究者による既報の値を使用する.前立腺の良性および癌性組織の IVIM 尖度を測定するシミュレーションを行う.
【結果】SNR が小さく,良性と癌性の前立腺組織間で DKI が与える拡散尖度には有意差がない場合にも,今回提案する方法が与える IVIM 尖度には有意差があることが示唆された(figure 参照).