第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

一般演題

骨関節-緩和時間

骨関節-緩和時間

2014年9月20日(土) 11:30 〜 12:10 第5会場 (3F 源氏の間西)

座長:新津守(埼玉医科大学 放射線科)

[O-3-324] 大腿骨頭軟骨におけるステロイド投与の影響-T2マッピングを用いた検討-

萩原茂生1, 渡辺淳也2, 中村順一1, 岸田俊二1, 大前隆則1, 宮本周一1, 松本浩史3, 桝田喜正3, 高橋和久1 (1.千葉大学大学院医学研究院 整形外科学, 2.東千葉メディカルセンター, 3.千葉大学医学部附属病院 放射線部)

【目的】T2マッピングは関節軟骨の質的評価が可能なMRI撮像方法である。我々はステロイド性大腿骨頭壊死の非圧潰例においても、軟骨変性を示唆するT2の延長が認められることを報告してきた。本研究の目的は大腿骨頭軟骨に対するステロイド投与の影響を検討することである。【方法】対象は膠原病の治療のためステロイド治療歴を有する28例46股(S群:平均年齢36.7歳)で股関節の変形や疼痛等の自覚症状を有さない症例である。うち11例18股に無症候性の大腿骨頭壊死非圧潰例が含まれていた。コントロールとして健常ボランティア12例12股(C群:平均年齢32.9歳)を設定した。各群間の年齢、臼蓋形成不全の程度(sharp角、CE角、AHI)、BMIに有意差は認めなかった。GE 社製3テスラMRI discovery 750を使用し、T2マッピングにより大腿骨頭関節軟骨の軟骨変性を評価した。撮像断面は大腿骨頭中心を通り大腿骨頚部に平行な斜冠状面とし、関心領域を骨頭の荷重部上方60度の範囲に設定した。計測したT2について各群間の比較を行い、またS群においてはステロイド投与期間、骨密度(大腿骨BMD)との関連、骨頭壊死の有無について統計的検討を行った。【結果】骨頭軟骨のT2はS群37.2msec、C群30.7msecで、S群はC群に対して有意な延長を認めた。S群においてはステロイド投与期間、骨頭壊死との関連は認められず、大腿骨BMDとは弱い負の相関を認めた。【結論】T2マッピングを用いた大腿骨頭軟骨評価において、ステロイド治療により形態的異常を来す前から軟骨変性を生じている可能性があると考えられた。