第42回日本磁気共鳴医学会大会

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ポスター

水脂肪画像

水脂肪画像

Thu. Sep 18, 2014 2:00 PM - 2:36 PM ポスター会場 (5F ロビー)

座長:福庭栄治(島根県立中央病院 放射線科)

[P-1-042] 造影T1wi fat sat時の脂肪抑制の均一性とコントラストの検討

蛸井邦宏1, 日塔美樹1, 柴崎俊郎1, 日野強1, 菅井康大2, 大竹修一2, 板垣孝知2 (1.山形県立新庄病院 放射線部, 2.山形県立新庄病院 放射線科)

【目的】 造影MRIにおける脂肪抑制は、dynamic rangeの向上を図り、脂肪信号に隠れた造影信号の検索のために欠かせない。しかし、従来用いられてきたCHESS、水選択励起等の脂肪抑制法は、磁場均一性の不良で、不均一な脂肪抑制や水等を誤って抑制する現象が生じ、同じ物質であっても、不均一な信号を呈する問題がある。今回、TSEとVIBEにおいて、DIXONを含めた各種脂肪抑制法を比較し、造影T1wi fat sat時の脂肪抑制法を検討した。
【方法】 取っ手付食用油容器に食用油と精製水を封入したファントムと、更に形状がいびつなwater dumbbellに食用油と精製水を封入し、希釈MR用造影剤を封入したボトルを組み合わせたファントムをTSE、VIBEに各種脂肪抑制法を組み合わせたT1wi fat sat、T1wiで撮像した。得られた画像の試料全体にROIを取り各試料内の信号の均一性と試料間のコントラストで評価を行った。
【結果】 CHESS、水選択励起等は、脂肪信号が不均一に抑制されるのみでなく、水や希釈MR用造影剤まで信号抑制された。精製水と希釈MR用造影剤のコントラストにも影響があった。DIXONは、磁場均一性が比較的良い状態であれば、均一に脂肪抑制され、精製水と希釈MR用造影剤のコントラストも脂肪抑制前と同様のコントラストを呈した。しかし、磁場均一性が悪ければ、水・脂肪の誤認識が生じ、希釈MR用造影剤が抑制された。特に、DIXONをTSEで用いた場合に脂肪抑制ミスが起こりやすかった。
【結論】 DIXONは、他の脂肪抑制法に比べ均一なT1wi fat satを得やすいが、限界があり、コントラストが反転する危険性がある。他の脂肪抑制法と同様に、磁場均一性の確保を図った上で用いれば有効な脂肪抑制法であり、撮像時間の延長が許容できるのであれば、使用が望ましい。TSE DIXONよりもVIBE DIXONの方が安定して均一な造影T1wi fat satが得られた。