第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

ポスター

骨・軟骨-シーケンス

骨・軟骨-シーケンス

2014年9月18日(木) 15:30 〜 16:06 ポスター会場 (5F ロビー)

座長:杉本英治(自治医科大学 放射線医学教室放射線診断学)

[P-1-054] 棘上筋の筋内腱描出に優れたシーケンスの検討

淺野和也1,2, 氏田浩一1, 坂井義行1, 島崎綾子1, 丹章吾1, 福島康宏1, 岡内研三4, 佐々木毅志3, 下山大輔3, 一ノ瀬剛3, 設楽仁3, 山本敦史3, 高岸憲二3, 須藤高行1, 対馬義人1 (1.群馬大学医学部附属病院 放射線部, 2.県民健康科学大学 診療放射線学研究科, 3.群馬大学医学部附属病院 整形外科, 4.群馬大学医学部附属病院 画像診療部)

【背景】2009年Mochizukiらの解剖的研究により肩腱板走行の新しい知見が報告され、筋内腱の走行を評価し、解剖学的な元位置に修復することの重要性が認識されるようになった。しかしながら、生体で非侵襲的に筋内腱の走行を詳細に評価した報告は渉猟できなかった。
【目的】棘上筋の筋内腱をより良く描出するシーケンスの検討を行う。
【方法】健常ボランティアの右肩を3D-Cube(T1W, T2W, PDW), LAVA, LAVA-Flex(Water, Fat, inPhase, outPhase), SPGR, COSMIC, MERGE で撮影し、予備実験で高評価となった、(LAVA-Flex Water, inPhase, outPhase, MERGE, COSMIC)について診療放射線技師、画像診断医で棘上筋の筋内腱の描出を視覚的に評価し順位をつけた。得られた順位と個別試料間それぞれに有意差検定を行った。どちらの有意差検定も有意水準p<0.05とした。
【結果】最高位の評価を得たシーケンスはMERGEとLAVA-Flex Waterであった。頻度はMERGE>LAVA-Flex Waterとなった。有意差検定では試料間の順位には有意差がみられた、個別試料間の順位を比較したところ、MERGEはinPhase, outPhase, COSMICそれぞれと有意差がみられた。MERGE, LAVA-Flex Waterの間には有意差がみられなかった。
【考察】今回行った筋内腱の描出の検討ではMERGEとLAVA-Flex Waterが良く、これらの使い分けについて考察を行った。MERGEはT2*コントラストの撮影であり、T2*強調画像は関節唇の診断に有用なシーケンスとして報告されている。また腱板断裂症例において再建術後の予後と筋内の脂肪変性との関連が報告されている。LAVA-FlexはWater, Fat, inPhase, outPhase の脂肪含有に関連したコントラストが一度の撮影で得られ、筋内の脂肪変性を評価できる。これらをふまえ目的に応じたシーケンス選択で情報の豊富な画像が提供できると考える。
【まとめ】MERGEとLAVA-Flex Waterによって棘上筋の筋内腱を評価する知見を得た。