第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

ポスター

骨・軟骨-シーケンス

骨・軟骨-シーケンス

2014年9月18日(木) 15:30 〜 16:06 ポスター会場 (5F ロビー)

座長:杉本英治(自治医科大学 放射線医学教室放射線診断学)

[P-1-056] 肩関節腱板断裂におけるMRI画像所見と関節鏡視下手術結果の比較

若畑茜1, 小川定信1, 石川照芳1, 傍島篤洋1, 寺田聡史2, 曽根康博3 (1.大垣市民病院 医療技術部診療検査科機能診断室, 2.大垣市民病院 整形外科, 3.大垣市民病院 放射線科)

【目的】当院では技師が読影レポートに一次コメントを記入している。そこで関節鏡視下腱板修復術(以下ARCR)を行った症例をretrospectiveに評価することにより、腱板断裂の診断におけるMRIの有用性と技師による読影の問題点を検討した。【対象】2012年2月~2014年3月までに肩関節MRIが施行された488肩(右側296肩、左側192肩)のうち、腱板断裂疑いに対してARCRが施行された33例33肩。【方法】得られたMRI画像を技師3名で判定し、ARCR結果と比較した【検討項目】1. 棘上筋腱、棘下筋健、肩甲下筋腱、上腕二頭長頭腱(以下SSP,ISP,SSC,LHB)ごとの病変数に対する第一次読影の一致率2. 再読影を行った際の一致率【結果】1. 第一次読影のMRIの感度、特異度、偽陰性率、偽陽性率はSSP:90.3%、100%、9.7%、0%、ISP:42.9%、84.2%、57.1%、15.8%、SSC:13.3%、94.4%、86.7%、5.6%、LHB:10%、100%、90%、0%であった。2.再読影を行った際のMRIの感度、特異度、偽陰性率、偽陽性率はSSP:96.8%、100%、3.2%、0%、ISP:57.1%、89.5%、42.9%、10.5%、SSC:60%、94.4%、40%、5.6%、LHB:75%、100%、25%、0%であった。【考察】1.最も断裂の多いSSPに関しては感度、特異度共に良好であったが、その他筋腱に関しては感度が低くかった。特にLHB、SSCでの感度が低く、技師間で確認を行ったところ、LHB、SSCの順に読影の際に認識が薄かったことがわかった。2.再読影では全体的に感度は上昇し、特にLHB、SSCでの上昇は著明であり、従来は認識不足による見落としが多かったと思われ、今回の再確認で今後は読影率の向上および、検査中では断裂部位に合わせた追加撮影が可能になると考えられる。 【結論】肩関節腱板断裂における有病率のMRI一致率においてはSSPでは良好な結果が得られたが、特定の腱板に関しては意識不足があり、今回の検討による再確認で読影技術は向上すると考えられる。