[P-1-072] Diffusion analysis, neurite orientation and dispersion and density imaging of multiple sclerosis
【背景・目的】neurite orientation and dispersion and density imaging(NODDI)はdiffusion tensor imagin(DTI)で得られる拡散指標とは異なる理論から成り,neurites, extra-neurites, isotropic Gaussian diffusionという3つのコンパートメントモデルから構成される新しい拡散解析法である. 多発性硬化症(MS)患者のnormal appearing white matter(NAWM)では拡散パラメータが健常者に比して変化していることが報告されている. 今回我々はMSの後頭葉におけるNAWMに対しNODDIを用いて解析を行った.【方法】MS7名(視覚誘発電位で両側性に異常あり),control 8名.Philips社製3TMRIを使用. NODDIにはb値(0, 1000, 2000 sec/mm2), 各20軸の拡散強調像のセットを使用し,MATLAB R2011bを用いてZhungらの開発したNODDI Matlab toolboxを使用し, 後頭葉白質に置いたVOI内のneurite density index(NDI), orientation dispersion index(ODI)を計算した.【結果】後頭葉白質の関心領域において, NDIとODIの平均値は正常白質で0.600 (SD±.031), 0.219(±.026), NAWMで0.556(±.045), 0.289(±.037)であった. NAWMでは正常白質よりもODIは有意に高く(Mann-Whitney U test, p<0.016), NDIは低い傾向があった.【考察】NAWMでは正常白質よりも軸索の水の拡散方向にばらつきがあり, 軸索の密度が低いことが予測された. NODDIは従来の拡散テンソルとは異なるモデルによる解析方法でありMSのNAWMにおける新たな評価方法として有用な臨床的指標となることが期待される.