[P-1-075] 拡散MRIを用いた脳腫瘍におけるtissue characterizationの試み:各組織の拡散定量値のvoxel-by-voxel study
【目的】生体内の制限拡散を評価する方法であるdiffusional kurtosis imaging(DKI)を神経膠腫に適用した報告はあるが,その他各種脳腫瘍へ応用したという報告はまだない.本研究では,様々な脳腫瘍に対しDKIを用いた解析をvoxel-by-voxelに行い,組織の微細構造の変化と拡散定量値の関係の理解を深め,そのtissue characterizationの一助となるかどうかを検討する.
【方法】対象は脳腫瘍患者9名.DKIデータの撮像には3T MR装置(Skyra,Siemens)を使用し,multi-band EPI法を用いて1.5mm等方性ボクセルで撮像した.撮像パラメータはTR/TE,7426/111.6ms;MPG,30軸;b値=0,1000,2000s/mm2;Δ/δ,55.5/18.1ms;multi-band factor,3とした.解析にはVOLUME-ONE,dTV.II.13kを使用した.腫瘍充実部,腫瘍周辺,反対側正常白質,脳脊髄液等にvolume of interest(VOI)を設置し,fractional anisotropy(FA),apparent diffusion coefficient(ADC),mean kurtosis(MK)値をvoxel-by-voxelにて計測し,散布図を用いて比較,検討をした.
【結果】腫瘍充実部,腫瘍周辺部,反対側正常白質,脳脊髄液のFA値を横軸に,MK値を縦軸にプロットすると,全体として正の相関の傾向が見られ,ADC値を横軸に,MK値を縦軸にプロットすると,全体として負の相関が見られた.各腫瘍の充実部のみをプロットした散布図では,腫瘍の性状や悪性度など,微細構造の変化を反映する分布となった.
【結論】DKIのvoxel-by-voxel解析により,各組織が示す拡散定量値の傾向を知ることができ,その組織の微細構造の変化をより詳細に検討することが可能となった.
【方法】対象は脳腫瘍患者9名.DKIデータの撮像には3T MR装置(Skyra,Siemens)を使用し,multi-band EPI法を用いて1.5mm等方性ボクセルで撮像した.撮像パラメータはTR/TE,7426/111.6ms;MPG,30軸;b値=0,1000,2000s/mm2;Δ/δ,55.5/18.1ms;multi-band factor,3とした.解析にはVOLUME-ONE,dTV.II.13kを使用した.腫瘍充実部,腫瘍周辺,反対側正常白質,脳脊髄液等にvolume of interest(VOI)を設置し,fractional anisotropy(FA),apparent diffusion coefficient(ADC),mean kurtosis(MK)値をvoxel-by-voxelにて計測し,散布図を用いて比較,検討をした.
【結果】腫瘍充実部,腫瘍周辺部,反対側正常白質,脳脊髄液のFA値を横軸に,MK値を縦軸にプロットすると,全体として正の相関の傾向が見られ,ADC値を横軸に,MK値を縦軸にプロットすると,全体として負の相関が見られた.各腫瘍の充実部のみをプロットした散布図では,腫瘍の性状や悪性度など,微細構造の変化を反映する分布となった.
【結論】DKIのvoxel-by-voxel解析により,各組織が示す拡散定量値の傾向を知ることができ,その組織の微細構造の変化をより詳細に検討することが可能となった.