第42回日本磁気共鳴医学会大会

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ポスター

乳腺・他

乳腺・他

Fri. Sep 19, 2014 10:12 AM - 10:48 AM ポスター会場 (3F 金葉の間)

座長:片岡正子(京都大学医学部附属病院 放射部)

[P-2-098] 卵巣粘液性腫瘍:術前MRI診断の検討

北井里実, 尾上薫, 関谷透, 福田国彦 (東京慈恵会医科大学 放射線医学講座)

目的:卵巣粘液性腫瘍における、MRI診断の正診率を術中迅速診断と比較し、MRIの役割とMRI診断困難例について検討する。
対象:2007年 ~ 2012年に病理組織学的に卵巣粘液性腫瘍と診断された症例の中で、術前MRIと術中迅速診断が施行された62例。MRI診断と術中迅速診断を最終病理診断と比較した。また、MRIの術前診断が異なった症例のMRI所見を後方視的に、充実部の存在、嚢胞の数、ステンドグラスアピアランスの有無に関して検討した。
結果:最終病理診断は、良性33例、境界悪性22例、悪性7例であった。MRIの正診率は76%、術中迅速診断は79%であった。良性、境界悪性および悪性に関するMRIの感度は、72%, 82%, 71%、術中迅速診断は97%, 59%, 57%であった。良性、境界悪性および悪性に関するMRIの特異度は、72%, 45%, 85%、術中迅速診断は72%, 90%, 98%であった。MRIは悪性度を過剰評価する傾向にあり、これらは、嚢胞の数が多い場合、嚢胞がステンドグラスアピアランスを示す場合、画像上充実部が疑われる場合に生じていた。
結論:卵巣粘液性腫瘍は術中迅速診断において、悪性度が低く診断される傾向にある。一方、MRIはより境界悪性腫瘍と悪性の可能性をあげることに優れる。