第42回日本磁気共鳴医学会大会

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ポスター

乳腺・他

乳腺・他

Fri. Sep 19, 2014 10:12 AM - 10:48 AM ポスター会場 (3F 金葉の間)

座長:片岡正子(京都大学医学部附属病院 放射部)

[P-2-097] 子宮漿膜下筋腫捻転のMRI所見

麻谷美奈1, 田崎章子1, 吉村宣彦2, 青山英史1 (1.新潟大学大学院医歯学総合研究科 放射線医学分野, 2.新潟大学医歯学総合病院 放射線部)

【背景】 子宮漿膜下筋腫捻転は、急性下腹部痛を来たす婦人科疾患のひとつであり、平滑筋種の稀な合併症とされる。特徴的画像所見に欠けることから一般的に術前診断は困難といわれる。
【目的】 外科的に子宮漿膜下筋腫捻転と診断された症例の当院術前MRI所見をretrospectiveに検討し、漿膜下筋腫捻転の特徴的MRI所見を明らかにする。
【対象と方法】 2010年1月から2013年4月までの間に、急性下腹部痛で発症し、外科的に子宮漿膜下筋腫捻転と診断された症例のうち、術前に当院でMRIを撮影された5例を対象とした。発症からMRI撮影までは1-14日(平均5日)、全例女性で年齢は30-50歳(平均42歳)、筋腫の大きさは9.5-17cm(平均12.8cm)、局在は前壁側3例、底部側2例であった。MRI撮影機種は1.5Tあるいは3T、MRI検討項目は、T1強調像およびT2強調像(3D T2強調像 3例)での正常筋層と比較した筋腫内部の信号強度、捻転茎の描出の有無、dynamic造影MRIでの内部造影パターン、腹膜肥厚濃染の有無について2名の放射線科医の合議で判定した。
【結果】 T1強調像では1例のみ高信号部分を有した以外は等信号、T2強調像では高信号2例、低信号3例であった。捻転茎は全例で同定可能でいずれも術前診断可能であった。Dynamic造影MRIでは、2例で造影欠如、3例では茎流入部周囲に限局する漸増型造影増強効果がみられた。腹膜肥厚濃染は全例でみられた。
【結論】 子宮漿膜下筋腫捻転ではMRIで捻転茎の描出は良好であり、捻転筋腫は造影欠如あるいは茎流入部周囲の漸増型造影増強効果を来たしており、診断の一助になりうると考えられた。