[P-2-099] 乳腺拡散強調画像におけるIntravoxel Incoherent Motionの検討
【背景・目的】乳腺における拡散強調画像(DWI)においては, これまでADC値を用いて良悪性鑑別の検討がなされてきたが, 浸潤癌(IDC)と非浸潤癌(DCIS)の鑑別は困難であるとされてきた. そこで, より詳細な拡散情報を得るためにbiexponential関数解析を行い, 得られた「拡散」と「灌流」に関するパラメータを用いて, 腫瘍タイプ間での比較を行った.
【方法】撮像装置は, Philips社製Achieva 3.0T X-series, SENSE-Breast 7ch coilを使用した. 対象は, 当院にて乳腺MRIを施行した患者77名(年齢56.3±12.3歳)とし, その症例の内訳はIDC:51例, DCIS:10例, 良性病変:20例である. 撮像は, MPG(b値: 0~4,000[s/mm2]の間を14ステップ)を3軸, TR/TE: 5000/85 [ms], FOV: 350×262[mm2], matrix size: 128×128, slice thickness: 5.0[mm]の条件にて行い, 施設内倫理委員会の承認を得た. 解析にはMATLABを使用し, b値 =0, 1000[s/mm2]におけるADC値, ならびにbiexponential関数解析(Hybrid法)にて, 真の拡散係数(D), 灌流を拡散とみなした拡散係数(D*), perfusion fraction(f)を取得した. これより, D, D*, fとADCとの関連性, ならびにIDC, DCIS, および良性病変とで比較検討を行った.
【結果】D, fとADCとで正相関を認めた(ともにr= 0.86). D[×10-3mm2/s]に関してはIDC= 0.52±0.17, DCIS= 0.60±0.27, 良性病変= 0.87±0.27となり, IDC, DCISと良性病変との間に有意差を認めた(ともにp<0.05)が, IDCとDCISの間には有意差を認めなかった. D* [×10-3mm2/s]に関してはIDC= 9.10±10.43, DCIS= 17.55±24.69, 良性病変= 5.57±6.96となり, IDCと良性病変との間にのみ有意差を認めた(p<0.01). f[%]に関しては, IDC= 23.07±8.50, DCIS= 25.37±11.05, 良性病変= 39.47±12.12となり, IDC, DCISと良性病変との間に有意差を認めた(ともにp<0.05).
【結論】biexponential関数解析においてもIDCとDCISの鑑別は困難であったが, 灌流の影響を加味したより詳細な拡散情報を得ることが可能であった.
【方法】撮像装置は, Philips社製Achieva 3.0T X-series, SENSE-Breast 7ch coilを使用した. 対象は, 当院にて乳腺MRIを施行した患者77名(年齢56.3±12.3歳)とし, その症例の内訳はIDC:51例, DCIS:10例, 良性病変:20例である. 撮像は, MPG(b値: 0~4,000[s/mm2]の間を14ステップ)を3軸, TR/TE: 5000/85 [ms], FOV: 350×262[mm2], matrix size: 128×128, slice thickness: 5.0[mm]の条件にて行い, 施設内倫理委員会の承認を得た. 解析にはMATLABを使用し, b値 =0, 1000[s/mm2]におけるADC値, ならびにbiexponential関数解析(Hybrid法)にて, 真の拡散係数(D), 灌流を拡散とみなした拡散係数(D*), perfusion fraction(f)を取得した. これより, D, D*, fとADCとの関連性, ならびにIDC, DCIS, および良性病変とで比較検討を行った.
【結果】D, fとADCとで正相関を認めた(ともにr= 0.86). D[×10-3mm2/s]に関してはIDC= 0.52±0.17, DCIS= 0.60±0.27, 良性病変= 0.87±0.27となり, IDC, DCISと良性病変との間に有意差を認めた(ともにp<0.05)が, IDCとDCISの間には有意差を認めなかった. D* [×10-3mm2/s]に関してはIDC= 9.10±10.43, DCIS= 17.55±24.69, 良性病変= 5.57±6.96となり, IDCと良性病変との間にのみ有意差を認めた(p<0.01). f[%]に関しては, IDC= 23.07±8.50, DCIS= 25.37±11.05, 良性病変= 39.47±12.12となり, IDC, DCISと良性病変との間に有意差を認めた(ともにp<0.05).
【結論】biexponential関数解析においてもIDCとDCISの鑑別は困難であったが, 灌流の影響を加味したより詳細な拡散情報を得ることが可能であった.