[P-2-103] PET/MR融合画像の色彩表示の検討
【背景・目的】
PET/MRではPET/CTと比較して、MRの優れた組織コントラストによる病変認識能の向上が期待されるが、その融合画像の表示方法は確立していない。今回、解剖学的構造や病変の視認性に優れるPET-MR融合画像を得るために、融合画像に用いるMR、PETのカラー表示方法について検討した。
【対象と方法】
健常ボランティアにFDGを投与し、ハイブリッド型PET/MR(Philips 社製Ingenuity TF PET/MR)装置を用いて撮像した。PETとの融合画像には、mDIXON法によるT1強調像、脂肪抑制T2強調像、heavyT2強調像、拡散強調像(DWI)を用いた。
融合画像の表示色調としてグレースケール、レインボー、赤緑青単色系、赤-シアン系を試みた。精巣、胆嚢、腎盂、腎嚢胞を模擬病変として病変視認性の評価に用いた。
評価方法は各融合画像を提示し、解剖学的構造、病変の視認性を点数化して比較検討を行った。
【結果】
1. MRの解剖学的情報とPETの病変コントラストの組み合わせでは、mDIXON法による脂肪抑制T1WIをグレースケールで、PETをレインボーで表示することで、PET/CTに類似した解剖学的情報と病変コントラストを得ることができた。
2. MRの高コントラスト画像である脂肪抑制T2WIやDWIを用いるときは、MRをシアン(緑色+青色)系、PETを赤色系のスケールとすると、MR高信号かつFDG高集積の病変が白色(シアン+赤)で表示され、病変視認性を向上させることができた。
3. 上記においてDWI、PETの融合画像では背景組織の視認性が劣るため、脂肪抑制T1WIをグレースケールでさらに重ねることにより、解剖学的情報を補うことができた。
4. 通常のT1WI、T2WIを用いる場合は、MR画像の高信号領域を抑制したシアン(緑色+青色)系のスケールに設定し、PETを赤色系あるいはレインボー表示することで皮下脂肪や体内脂肪の高信号域に目を奪われることなく解剖学的構造の識別と高い病変コントラストを維持できた。
5. heavyT2WIをグレースケール、PETを赤色系で表示すると膵胆管や尿路系の病変の描出に有用と思われた。
【結論】
PET/MR融合画像には、種々のMR画像に応じて個別の色彩表示を設定することで高い視認効果が得られる。
PET/MRではPET/CTと比較して、MRの優れた組織コントラストによる病変認識能の向上が期待されるが、その融合画像の表示方法は確立していない。今回、解剖学的構造や病変の視認性に優れるPET-MR融合画像を得るために、融合画像に用いるMR、PETのカラー表示方法について検討した。
【対象と方法】
健常ボランティアにFDGを投与し、ハイブリッド型PET/MR(Philips 社製Ingenuity TF PET/MR)装置を用いて撮像した。PETとの融合画像には、mDIXON法によるT1強調像、脂肪抑制T2強調像、heavyT2強調像、拡散強調像(DWI)を用いた。
融合画像の表示色調としてグレースケール、レインボー、赤緑青単色系、赤-シアン系を試みた。精巣、胆嚢、腎盂、腎嚢胞を模擬病変として病変視認性の評価に用いた。
評価方法は各融合画像を提示し、解剖学的構造、病変の視認性を点数化して比較検討を行った。
【結果】
1. MRの解剖学的情報とPETの病変コントラストの組み合わせでは、mDIXON法による脂肪抑制T1WIをグレースケールで、PETをレインボーで表示することで、PET/CTに類似した解剖学的情報と病変コントラストを得ることができた。
2. MRの高コントラスト画像である脂肪抑制T2WIやDWIを用いるときは、MRをシアン(緑色+青色)系、PETを赤色系のスケールとすると、MR高信号かつFDG高集積の病変が白色(シアン+赤)で表示され、病変視認性を向上させることができた。
3. 上記においてDWI、PETの融合画像では背景組織の視認性が劣るため、脂肪抑制T1WIをグレースケールでさらに重ねることにより、解剖学的情報を補うことができた。
4. 通常のT1WI、T2WIを用いる場合は、MR画像の高信号領域を抑制したシアン(緑色+青色)系のスケールに設定し、PETを赤色系あるいはレインボー表示することで皮下脂肪や体内脂肪の高信号域に目を奪われることなく解剖学的構造の識別と高い病変コントラストを維持できた。
5. heavyT2WIをグレースケール、PETを赤色系で表示すると膵胆管や尿路系の病変の描出に有用と思われた。
【結論】
PET/MR融合画像には、種々のMR画像に応じて個別の色彩表示を設定することで高い視認効果が得られる。