第42回日本磁気共鳴医学会大会

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ポスター

画像技術

画像技術3

Fri. Sep 19, 2014 10:42 AM - 11:12 AM ポスター会場 (5F ロビー)

座長:伊藤聡志(宇都宮大学大学院工学研究科 情報システム科学専攻)

[P-2-116] GPGPUを利用した圧縮センシングのMRマルチスライス像再構成の高速化

伊藤聡志, 小野寺有太, 山田芳文 (宇都宮大学大学院工学研究科 情報システム科学専攻)

【目的】圧縮センシングのMRマルチスライス撮像応用において,画像処理プロセッサ(GPGPU)の高い並列演算性能を利用し,再構成の高速化を図った.
【方法】 圧縮センシングをマルチスライス撮像に応用する場合に連続的なスライス像を三次元像とみなし三次元空間のスパース性を仮定すると,スライス毎に再構成する場合に比べて再生像の品質改善が期待できる.本研究では,画像処理専用プロセッサであるGPU (Graphics Processing Units)が持つ高い並列演算性を利用し,圧縮センシング再構成の並列処理化を行った.再構成処理はFREBAS変換を多用するために,FREBAS変換内で使用されるフーリエ変換処理はGPUに最適化されているCUDAのCUFFTライブラリを使用した.また,位相変調処理やしきい値処理はGPU内で行った.
【実験】 再構成実験では,被験者の同意を得て撮像された256×256画素×32スライスの画像モデルを塩使用した.信号収集はモデル画像のスライス毎にフーリエ変換処理を行い,フーリエ変換映像法の模擬エコー信号を作成した.その後,設定した信号量になるようにプログラム内で信号を間引き処理を行った.実験に用いたGPGPUはNVIDIA Tesla K20である.Tesla K20の主な仕様は,CUDAコア数2496,メモリバンド幅208GB/s,コアクロック周波数706MHz,ピーク性能TFlops/sである.再生像のPSNRはCPU計算が,24.77,GPU計算が24.76であり,ほぼ一致した.単一スレッドのCPUのみ利用した場合に478秒を要した計算が,GPGPUを利用することにより57秒に短縮された.再構成の処理の一部はCPU計算による部分があり,今後はGPU計算の依存度を高め,さらなる高速化を図る予定である.
【結語】 圧縮センシングのマルチスライス撮像応用においてGPGPUを用いることによりCPUでの画像再構成と同品質を保ちながら,再構成に要する時間を57秒に短縮することができた.