[P-2-115] NPSによる適応型フィルタの効果の評価-頭部画像での検討
【背景】これまで我々はプロペラ収集MR画像のNPS計測に関してファントム画像を用いた検討を行い、NPSがk空間軌跡に依存した理論通りの分布となり、再構成フィルタの特性を反映して変化する等の知見を得た。今後、臨床画像の画質評価に応用するためには、健常ボランティア頭部画像のNPSについての知見を得て行く必要があると考えられる。一方、MR画像に対するフィルター処理として、エッジの保持とノイズ低減を目的とした適応型非線形フィルタが提案されており、画質に及ぼす影響を評価することは重要であると考えられる。今回その一例としてnon-local means(NLM)フィルタに着目し、NPSによるフィルタ効果の評価が可能か検討を行った。
【方法】健常ボランティアの頭部画像および均一ファントム画像を用いた。プロペラ収集により同じスライスを複数回撮像し、NLMフィルタ処理なし/ありの画像を作成、両画像の2次元NPSと1次元NPSを求めて比較評価した。
【結果】NLMフィルタ処理なしの標準的な再構成の場合、頭部画像から求めたNPSは、ファントム画像から求めたNPSと同様のプロペラ収集軌跡に依存した分布となった。NLMフィルタ処理を施した場合、頭部画像のNPSは、中から高周波域のNPS値が低下したが、低周波域のNPS値はほとんど変化しなかった。これに対し、ファントム画像のNPSは、中から高周波域のNPS値が大きく低下し、低周波域でもNPS値は低下傾向にあった。2次元、1次元NPSとも同様の傾向を示した。
【考察】フィルタ処理なしの場合には、頭部画像とファントム画像のNPSは同様の結果となったが、フィルタ処理ありの場合、両者は大きく異なった。これは、NLMフィルタの構造依存の特性によりノイズ低減等の効果が画像によって異なったことを反映したものと考えられる。この結果は、NPSを用いてNLMフィルタの効果を評価できる可能性があることを示唆するものと考えられた。今後は、処理対象の構造の違いによるフィルタ効果の変化に関してNPSを用いた検討を行っていく予定である。
【方法】健常ボランティアの頭部画像および均一ファントム画像を用いた。プロペラ収集により同じスライスを複数回撮像し、NLMフィルタ処理なし/ありの画像を作成、両画像の2次元NPSと1次元NPSを求めて比較評価した。
【結果】NLMフィルタ処理なしの標準的な再構成の場合、頭部画像から求めたNPSは、ファントム画像から求めたNPSと同様のプロペラ収集軌跡に依存した分布となった。NLMフィルタ処理を施した場合、頭部画像のNPSは、中から高周波域のNPS値が低下したが、低周波域のNPS値はほとんど変化しなかった。これに対し、ファントム画像のNPSは、中から高周波域のNPS値が大きく低下し、低周波域でもNPS値は低下傾向にあった。2次元、1次元NPSとも同様の傾向を示した。
【考察】フィルタ処理なしの場合には、頭部画像とファントム画像のNPSは同様の結果となったが、フィルタ処理ありの場合、両者は大きく異なった。これは、NLMフィルタの構造依存の特性によりノイズ低減等の効果が画像によって異なったことを反映したものと考えられる。この結果は、NPSを用いてNLMフィルタの効果を評価できる可能性があることを示唆するものと考えられた。今後は、処理対象の構造の違いによるフィルタ効果の変化に関してNPSを用いた検討を行っていく予定である。