第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

ポスター

B0/B調整

B0/B1調整

2014年9月19日(金) 11:12 〜 11:54 ポスター会場 (5F ロビー)

座長:梅田雅宏(明治国際医療大学 医療情報学)

[P-2-122] 部分領域に対する4チャンネルRFシミング効果の基礎的検討

金子幸生1, 五月女悦久1,2, 伊藤公輔2, 瀧澤将宏2, 羽原秀太1,2, 高橋哲彦2, 尾藤良孝2, 越智久晃1 (1.(株)日立製作所 中央研究所, 2.(株)日立メディコ MRIシステム本部)

【目的】3テスラ以上の高磁場MRI において,RF照射によって生成される回転磁界(B1)の不均一低減は依然として重要な課題である。近年,RF照射コイルのチャンネル(以下,ch)を増やした際のB1不均一低減効果について,幾つか報告されている[1,2]。また,腹部領域内における一部の領域(以下,部分領域)に対するRFシミングの送信ch数の効果についても報告されている[3]。本報告では,3テスラ装置における肩関節のオフセンター撮像を想定し,肩関節を含む部分領域に対する4chのRFシミングの効果を明らかにすることを目的とし,数値シミュレーションによる検討を行った。
【方法】4chのRF照射コイルモデル[4]を作成し,FDTDシミュレーションを行った。 (a)QD(Quadrature)照射,(b)2ch RFシミング(B1均一度を最小化),(c)2ch RFシミング(QD照射時のB1均一度を維持する条件の下,RF照射パワー(4ch分の総和)を最小化),(d)4ch RFシミング(B1均一度を最小化),(e)4ch RFシミング(2ch RFシミング時のB1均一度を維持する条件の下,RF照射パワーを最小化),の計5つのRF照射方法について,B1均一度(標準偏差/平均値×100 [%])を算出した。女性人体モデルを使用し,右肩の関節がRF照射コイル中心にできるだけ近づくように,モデル位置を設定した。Axial断面(x-y平面)において,右肩を包含する領域を部分領域と設定して,RFシミングを行った。
【結果】各RF照射方法における,肩関節を含む部分領域のB1均一度は,(a)6.3,(b) 6.2,(c) 6.3,(d) 3.0,(e) 6.2となり,(d)の4ch RFシミングの場合においてB1不均一が最も低減されることがわかった。RF照射パワーは,(a)(b)(c)(d)の場合ではほぼ一定となり,(e)の4ch RFシミングの場合では,他の場合と比べ約20 %低減した。以上より, 4chのRFシミングが,部分領域内のB1不均一もしくはRF照射パワーの低減に寄与することが示された。
【参考文献】[1] Harvey PR.et al. ISMRM 2010; 18: 1486. [2] Childs AS. et al. MAGMA 2013; 26: 401-410. [3] Kaneko, et al. ISMRM 2013; 21: 2756. [4] Soutome, et al. ISMRM 2013; 21: 2750.