第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

ポスター

B0/B調整

B0/B1調整

2014年9月19日(金) 11:12 〜 11:54 ポスター会場 (5F ロビー)

座長:梅田雅宏(明治国際医療大学 医療情報学)

[P-2-124] 小動物用11.7 T MRI装置で使用できる感染マウス用密閉コンテナの試作

吉田将太1,2, 森勇樹1,2, 陳挺1,2, 程振宇1,2, 吉岡芳親1,2 (1.大阪大学 免疫学フロンティア研究センター(IFReC), 2.(独)情報通信研究機構大阪大学 脳情報通信融合研究センター(CiNet))

【背景目的】遺伝子組換え動物の撮像は多くの施設で行われているが、生きた感染動物の撮像の報告は限られる。この理由としては、感染動物を扱える動物センター内へのMRI装置の設置が少ないことが一因と思われる。そこで私たちは、一般的なMRI施設でも感染マウスの撮像が可能となるように、密閉・滅菌・移動が容易であり、且つ、撮像にも対応できる容器を製作する事を目的とした。【対象方法】C57BL/6Jマウスを対象とし、一般的なボリュームコイルが使用できる密閉容器であること、動物の移動時間・撮像時間に十分に耐えられることを目標とした。産生する炭酸ガスは、麻酔科領域で使用されている二酸化炭素吸収剤(矢橋工業、ヤバシライム)に吸収させた。麻酔薬はウレタンを用いた。マウスの移動や撮像に要する時間を3時間と仮定した。撮像は11.7 T (Bruker)のMRI装置を用いた。グラジエントコイルは内径57mmを用いた。【結果考察】密閉での問題は、酸素と炭酸ガスである。マウスの酸素消費量は、1 mL/min程度であり、3時間程度での消費量である200mLを十分に越える酸素を含む密閉容器を制作した。滅菌も必須であるので、容易に対応できるような簡単な形状とした。ボリュームコイル内の容量は30mL程度であり、容器の大部分はコイル外に位置するようにした。内圧の変動に対応できるような変形可能な容器素材が妥当であると判断し用いた。二酸化炭素吸収剤は、吸収量・吸収スピードが共に良好であり、数グラムを鼻の近くに設置する事で、自発呼吸のみの空気の流れ・拡散で十分に炭酸ガスが吸収され、3時間以上の生命維持ができ、撮像も問題なかった。小さなボア径の装置でも300mL程度の密閉容器を用いることができ、それに高濃度酸素と炭酸ガス吸収剤を入れることで移動や撮像に要する時間を十分に確保できることが分かった。感染マウスの撮像を可能とする密閉容器を製作できた。