第42回日本磁気共鳴医学会大会

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ポスター

脳・脊髄-診断

脳・脊髄-診断2

Fri. Sep 19, 2014 2:00 PM - 2:42 PM ポスター会場 (5F ロビー)

座長:北島美香(熊本大学医学部附属病院 画像診断・治療科)

[P-2-127] Dopamine Transportere Imaging (123I-DAT)とT1-PETRAとの融合画像神経変性疾患診断における有用性

新井和樹1, 植田貴司1, 齋藤健二1, 若山季樹1, 堀内彰1, 山下明1, Nielsen Matthew 2, Grodzki David M.2, 井田正博1 (1.荏原病院 放射線科, 2.シーメンス・ジャパン株式会社 イメージング&セラピー事業部 リサーチ&コラボレーション部)

【目的】パーキンソン症候群(PS)やレビー小体型認知症(DLB)の患者の診断にMRニューロメラニン及びMIBG心筋シンチグラフィを用いて診断を行っている。Dopamine Transportere Imaging (123I DAT SPECT)は黒質線条体のドパミン神経に集積を示し、PSやDLBでは集積低下を来たす。しかしDAT 画像では黒質線条体に集積するのみで解剖学的情報に乏しく、部分的な集積低下を正確に判定することが困難である。そこで、Pointwise Encoding Time reduction with Radial Acquisition (PETRA)を使用する。PETRAとはultra short TEの技術をベースに開発された静音3D-T1強調シーケンスで従来のMPRAGEと比較して90%以上の騒音低減と高い灰白質/白質コントラストを有する画像の取得が可能である。(文献)今回 DAT画像をワークステーション上でT1-PETRA画像との融合画像を作成し、その臨床的な有用性について検討した。【方法】使用機器3T臨床装置 (MAGNETOM Trio A Tim, Siemens)ガンマカメラ(E-CAM, TOSHIBA)後処理1. DAT画像の背景信号の正規化2. ワークステーション(FUJIFILM SYNAPSE VINCENT)上で融合画像の作成【対象】臨床的にパーキンソン症候群の診断で、その鑑別目的でDATおよびMR がほぼ同時期に施行された15例。【結果】1. DATで異常集積低下を示さなかった3例においてDAT集積部位とT1-PETRAの線条体輪郭がほぼ一致した。2. 放射線科専門医1名、神経内科専門医2名、診療放射線技師1名による判定で、DAT画像単独よりも融合画像の方が診断に有用と判定された。3. パーキンソン病では被殻外側後半部からの集積低下が明瞭に描出された(3/11, 36.6%)。4. 大脳基底核変性症の1例では集積低下の左右差が明瞭に描出された。。【考察・結論】DATとT1-PETRAを融合することで尾状核や被殻における集積低下の範囲やその程度をより正確に評価することが可能で、診断に有用である。T1-PETRAは良好な灰白質/白質コントラスト有する静音撮像法であることから、解剖画像として最適である。【文献】Masahiro Ida DM,Quiet T1-weighted 3D imaging of the central nervous system using PETRA.MAGNETOM Flash 5/2013 35-42