第42回日本磁気共鳴医学会大会

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ポスター

脳・脊髄-診断

脳・脊髄-診断2

Fri. Sep 19, 2014 2:00 PM - 2:42 PM ポスター会場 (5F ロビー)

座長:北島美香(熊本大学医学部附属病院 画像診断・治療科)

[P-2-131] STIR法で観察される正常視神経内高信号と撮像条件の関連

櫻井佑樹, 長濱宏史, 鈴木淳平, 加藤駿平, 平野透 (札幌医科大学附属病院 放射線部)

【目的】
 MR装置を用いた視神経炎や脱髄性病変の評価に,short tau inversion recovery法(以下STIR法)が用いられる.脂肪のinversion time(TI)に合わせたSTIR法による撮像は,副鼻腔による磁場不均一の影響が少ないため,眼窩内脂肪を均一に抑制して視神経の疾患を捉えやすい利点がある.STIR法により正常視神経を撮像した場合,低信号で描出される視神経内に,central retinal vesselsが高信号に描出されるといわれる.しかし,撮像条件によってこの高信号の描出が異なることから,アーチファクトの可能性が示唆された.本研究の目的は,視神経を模擬したファントムを用いてアーチファクトの発生機序を調査し,その影響を低減させる撮像条件の検討を行うことである.
【方法】
 使用装置は,Signa HDxt 3.0T ver16.0で,使用コイルは,8ch Head Coilである.内径5mmの円筒に,視神経を模擬した内径3mmのアクリル棒を挿入し,その隙間に視神経周囲の脳脊髄液を模擬した生理食塩水を注入したファントムを作成した.このファントムの周囲を,眼窩内脂肪を模擬したオリーブオイルで満たした.この視神経模擬ファントムを, 2D fast spin echoによるSTIR法でMatrixを変化させて撮像して,アクリル棒内の描出に関して検討を行った.
【結果】
 STIR法を用いて視神経模擬ファントムを撮像した結果,内径3mmのアクリル棒内に高信号がみられ,0.5mm/pixel以下の分解能の場合にて,その高信号は目立たなくなった.この高信号はtruncation artifactが考えられた.解剖学的にはcentral retinal vesselsが存在するため,アーチファクトの影響を低減した撮像条件が求められる.