第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

ポスター

頭頸部-シーケンス

頭頸部-シーケンス

2014年9月19日(金) 10:12 〜 11:00 ポスター会場 (5F ロビー)

座長:豊田圭子(帝京大学医学部 放射線科学講座)

[P-2-153] 舌動脈・顔面動脈描出におけるInhance Velocity-MRAの検討とCT-Angiographyとの比較

國分美加1, 今野孝志1, 四家洋介1, 大西祐樹1, 戸村則昭2 (1.一般財団法人脳神経疾患研究所附属総合南東北病院 診療放射線科, 2.一般財団法人脳神経疾患研究所附属総合南東北病院 神経放射線科)

【背景】当院では、舌がんに対して抗がん剤のカニューレーション治療を行っている。手術室で透視下にて、カニューレの位置を同定するため、頚椎と血管の位置関係の情報が必要であり、術前の検査として造影剤を用いたCTAを行っている。しかし、ヨード・ガドリニウム造影剤の副作用歴の患者に対して、非造影での血管描出の必要性が考えられる。【目的】舌がんの抗がん剤カニューレーション術に必要な舌動脈・顔面動脈を描出するため、MRAの撮像条件を検討し、手術室で必要な頚椎の骨情報とのfusionを試みた。また、CTAとの描出能を比較した。【方法】Inhance VelocityはPC法を用いた3D-MRAである。適切なVENC値を得るため、ボランティア22名(20~74歳)に対し、VENC値を50/70/100で撮像し、舌動脈・顔面動脈の描出能を比較した。使用機器は、Signa HDxt 3.0T Optima Edition (GE Healthcare社製)。撮像条件は、Inhance Velocity(3D) TR:9.1msec TE3.6msec Slice厚:1.2mm FA:8° option:Asset,ZIP2 Scantime:6min20sec (VENC=70)。各VENC値の画像を、放射線科医1名・放射線技師3名で視覚評価にて比較した。舌動脈・顔面動脈の分岐部の描出を評価した。臨床例では、事前にPET-CTとCTAを撮影し、さらに同意の得られた患者8名に対し、MRI撮像時にMRAの追加撮影を行った。Inhance Velocity MRAとPET- CTのCT骨画像を利用し、workstationを用いてfusion画像を作成した。MRA画像とCT画像との位置補正には、MRA撮像時に得られるマグニチュード画像を利用した。また、得られた画像とCTAとの比較を行った。【結果】VENC値の比較では、VENC50と70にて、血管分岐部の描出に差が無かったが(p<0.01)。PC法にて撮像することで得られるマグニチュード画像を介し、workstationのregistration機能を使用することで、他のモダリティとのfusionが可能であった。また、CTAとの描出能に差がなかった。【結語】Inhance VelocityでのMRA画像とCT骨画像のfusionは、術前情報として有用であった。複数のモダリティをfusionするため、双方のポジショニングの工夫が必要である。