第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

ポスター

頭頸部-シーケンス

頭頸部-シーケンス

2014年9月19日(金) 10:12 〜 11:00 ポスター会場 (5F ロビー)

座長:豊田圭子(帝京大学医学部 放射線科学講座)

[P-2-155] Inversion Recoveryを付加した3D Segmented True FISPによる鎖骨下動脈の描出に対する検討

井上裕二1, 田渕隆1, 佐藤始広2 (1.つくば画像検査センター 放射線部, 2.つくば画像検査センター 放射線科)

【背景・目的】MRI検査においてSegmented true FISPによるMR-Angiographyは多くの部位に利用されている。非常に短い時間で良好な血流(動静脈)画像が得られるため、血管の形態や病変との位置関係を把握するうえで有効な撮像法であると考える。しかし、撮像する部位によっては脂肪抑制不良によって血流が描出不良となる場合がある。特にk空間充填法をLinearに設定した場合、血液からの信号は良好に得られるが、脂肪抑制効果が大幅に低下することが問題であった。そこで今回は、Inversion Recovery(IR)法を利用してInversion time(TI)を血液のNull pointに設定することでバックグラウンドの画像を取得し、IRを付加していない画像とサブトラクションすることで、良好な血流画像を取得できると考えた。今回は脂肪抑制不良が高頻度で起こる、鎖骨下動脈を対象に検討を行った。【使用装置】SIEMENS社製MAGNETOM Avanto 1.5T、使用コイル Head Matrix coil、Neck Matrix coil、Body Matrix coil【方法】当院倫理委員会承認済みの健常ボランティアに対し、TIを変更したIR-Segmented true FISP(IR-FISP)の撮像を行った。得られた画像から脂肪、筋肉、動静脈の信号強度を測定した結果より、血液信号を除去できるパラメータを検討した。さらに最適化されたIR-FISPとIRを付加していないSegmented true FISP(T-FISP)をサブトラクションすることで脂肪信号が抑制され、良好な血液画像が得られるかを検討した。【結果と考察】IR-TFISPはTRに応じたTIを設定することで、血液からの信号は低下するために、T-FISPと差分することで、バックグラウンドの信号を低下させ、動静脈のみの画像が得られた。しかし、IRを印可することによって自由水の信号も低下することで、結果的に差分後の画像では自由水が高信号を示すことに注意が必要である。