第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

ポスター

頭頸部-シーケンス

頭頸部-シーケンス

2014年9月19日(金) 10:12 〜 11:00 ポスター会場 (5F ロビー)

座長:豊田圭子(帝京大学医学部 放射線科学講座)

[P-2-157] 舌癌における脂肪抑制併用non-selective 収集パルス型3D-T2WI(VISTA)の至適撮像条件の検討

清水史紀, 渋谷俊之, 山澤直貴, 西川祝子, 山野一義, 村松禎久 (国立がん研究センター東病院 放射線診断科)

【背景】舌癌において外舌筋への浸潤はTNM分類に,舌神経血管束への浸潤は頸部リンパ節転移に関連することが知られている. これらの解剖構造は各種撮像法により得られた画像から,総合的にその位置関係を把握することが可能であるが,単独の撮像法で同時に評価する事は困難である.一方,脂肪抑制併用VISTA法ではfrequency offsetを調整することで内舌筋(脂肪を多く含む)とのコントラストで外舌筋の描出,Refocusing control angle(deg)を調整することで血管の描出が単独の撮像法で可能である.【目的】脂肪抑制併用VISTA法における外舌筋および舌神経血管束の描出能が至適となるパラメータを検討した.【方法】本研究に同意の得られたボランティア5名を対象とし,脂肪抑制併用VISTAを撮像した.脂肪抑制法はSPAIR法を使用し,inversion delay 240msを固定としfrequency offset(Hz) 80~240まで40間隔で変化させた.また,Refocusing control angle(deg)を30~180まで30間隔で変化させた.解剖構造の描出能の評価には外舌筋(オトガイ舌筋・舌骨舌筋)と周囲組織,舌神経血管束とその周囲組織にROIを設定し,CNRを測定した.【結果】Frequency offset(Hz) 80にて最も高い組織間コントラストが得られた.またRefocusing control angle(deg)180において最も高い舌神経血管束内の血管信号を得た.【考察】内舌筋は外舌筋に比べ脂肪成分を多く含むため,frequency offset値は低周波数でコントラストが増したと考えられる.舌神経血管束の描出は舌内血管信号がRefocusing control angle (deg) 180で高信号に描出されBright-blood imaging としての役割が大きかったと考えられる.【結論】今回の検討で外舌筋および舌神経血管束を描出するための脂肪抑制併用VISTA法のパラメータ検討を行った.脂肪抑制併用VISTA法は,非造影で外舌筋と舌神経血管束を単独の撮像法で描出可能な撮像方法と考えられる.