[P-2-177] ヒト7T fMRIを用いた自然動画刺激下における高解像脳活動イメージング
【目的】自然な知覚・認知機能を司る脳神経情報処理を解明するため、近年、動画視聴下等の自然条件下における脳活動の定量モデル化を行う研究が進められている。自然で複雑な条件下における脳機能の全容を理解するためには、高解像度、高SNRかつ全脳を対象とした脳活動イメージングを行うことが重要である。本研究では、CiNet(大阪府吹田市)に2013年に導入された研究用ヒト高磁場(7T)MRIを用いて動画提示下におけるヒト脳活動を記録し、その機能的撮像の実効精度を検証した。【方法】映画の予告編等で構成される自然動画をヒト被験者に提示した。Siemens 7T MRIを用いて動画提示下における脳活動計測を行った(Multiband GE EPI、TR=2000ms、TE=19ms、Voxel size=1.2mm × 1.2mm × 1.2mm、FOV=216mm × 216mm (99 slices)、32チャンネル受信コイル)。同一動画の繰り返し提示を行い、刺激依存分散比によってボクセル毎の機能的SNRの定量化を行った。【結果】後頭葉視覚領野において、高い機能的SNRを示すボクセルが脳溝に沿った形で限局して見られた。このことは、ヒト7T MRIによる高解像度撮像によって、高い実効解像度で機能的信号が得られていることを示唆する。