[P-2-183] 位相差強調画像による新生児白質構造の描出
【目的】位相差強調画像は、白質を構造など描出するための新たなコントラストを提供しうる。本検討の目的は、新生児脳における位相差強調像による白質の描出パターンを調べることである。
【方法】未熟児出生のスクリーニング、もしくは満期産にて何らかの異常が疑われ脳MRIが撮像された新生児のうち、異常所見がなく、体動によるアーチファクトが生じた例を除外した6例[在胎27-38週(平均31.7週)、修正36-40週(平均38.3週)]を後方視的に検討した。磁化率強調像(PRESTO, TR/TE=18.5/27.7ms, FA=10°)の強度および位相画像をワークステーションに転送し、位相画像はフィルター処理による位相wrap除去、位相差の選択によるマスクを作成後、強度画像と合わせ、位相差強調画像を作成した。 位相差強調画像での画像評価は、軸位段での橋後方、視放線周囲、内包前後脚、脳梁膝部・膨大部、および冠状段での皮質脊髄路、前頭葉・中心溝レベル・側頭葉・頭頂後頭葉の皮質下の信号変化を視覚的に点数評価した。また、上記各部位での信号変化部位に関心領域を置き、新生児位相差強調で比較的信号が均一なレンズ核との信号変化の比を算出した。
【結果】視覚評価では橋後方、皮質脊髄路、中心溝周囲の皮質下の信号変化が比較的大きく、次いで頭頂後頭葉となり、前頭葉皮質下・側頭葉・内包前脚や脳梁では信号変化が少なかった。信号比では中心溝周囲皮質下、皮質脊髄が大きく、次いで頭頂後頭葉皮質下、前頭葉皮質下で、側頭葉皮質下の信号変化は少なかった。
【考察・結論】新生児位相差強調画像では、特徴的な位相変化分布のパターンが確認できた。位相画像では、白質の髄鞘や線維の走行を反映することが知られる。本検討にて得られた新生児の位相差強調像では、新生児期に髄鞘化が進行する部位に信号変化部位が一致するが、その他に中心溝付近を中心とした皮質下の信号変化も認められた。これは過去の病理報告との対比にて髄鞘化蛋白の分布に一致している。新生児位相差強調像では新生児期の髄鞘化に加え、髄鞘蛋白の分布に一致した信号変化を示す可能性がある。
【方法】未熟児出生のスクリーニング、もしくは満期産にて何らかの異常が疑われ脳MRIが撮像された新生児のうち、異常所見がなく、体動によるアーチファクトが生じた例を除外した6例[在胎27-38週(平均31.7週)、修正36-40週(平均38.3週)]を後方視的に検討した。磁化率強調像(PRESTO, TR/TE=18.5/27.7ms, FA=10°)の強度および位相画像をワークステーションに転送し、位相画像はフィルター処理による位相wrap除去、位相差の選択によるマスクを作成後、強度画像と合わせ、位相差強調画像を作成した。 位相差強調画像での画像評価は、軸位段での橋後方、視放線周囲、内包前後脚、脳梁膝部・膨大部、および冠状段での皮質脊髄路、前頭葉・中心溝レベル・側頭葉・頭頂後頭葉の皮質下の信号変化を視覚的に点数評価した。また、上記各部位での信号変化部位に関心領域を置き、新生児位相差強調で比較的信号が均一なレンズ核との信号変化の比を算出した。
【結果】視覚評価では橋後方、皮質脊髄路、中心溝周囲の皮質下の信号変化が比較的大きく、次いで頭頂後頭葉となり、前頭葉皮質下・側頭葉・内包前脚や脳梁では信号変化が少なかった。信号比では中心溝周囲皮質下、皮質脊髄が大きく、次いで頭頂後頭葉皮質下、前頭葉皮質下で、側頭葉皮質下の信号変化は少なかった。
【考察・結論】新生児位相差強調画像では、特徴的な位相変化分布のパターンが確認できた。位相画像では、白質の髄鞘や線維の走行を反映することが知られる。本検討にて得られた新生児の位相差強調像では、新生児期に髄鞘化が進行する部位に信号変化部位が一致するが、その他に中心溝付近を中心とした皮質下の信号変化も認められた。これは過去の病理報告との対比にて髄鞘化蛋白の分布に一致している。新生児位相差強調像では新生児期の髄鞘化に加え、髄鞘蛋白の分布に一致した信号変化を示す可能性がある。