第42回日本磁気共鳴医学会大会

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ポスター

マイクロイメージ・基礎

マイクロイメージ・基礎

Sat. Sep 20, 2014 9:30 AM - 10:12 AM ポスター会場 (5F ロビー)

座長:服部峰之(産業技術総合研究所 電子光技術研究部門光センシンググループ)

[P-3-213] ヒト胚子化学固定標本のNMRパラメタによる最適撮像シーケンスの検討

巨瀬勝美1, 大竹陽介1, 山田拓馬1, 拝師智之2, 山田重人3 (1.筑波大学数理物質科学研究科, 2.(株)エム・アール・テクノロジー, 3.京都大学先天異常標本解析センター)

<はじめに>我々は,京都大学に所蔵のヒト胚子化学固定標本の3D databaseを構築するために,高磁場MR Microscopyによる高分解能撮像を検討している.本研究では,そのNMRパラメタに基づいた最適撮像シーケンスの検討を行った.
<方法>ホルマリン水溶液に浸されたCarnegie Stage23(8週齢)のヒト胚子標本を用い,9.4Tで室温開口径54mmの縦型超伝導磁石を使用して,TRとTEを複数変化させた3DSEシーケンス(Matrix: 512×256×256,画素サイズ60μm立方)によってT1,T2,Proton density(PD)分布を計測した.
<結果と検討>T1,T2,PDの正中断面における分布と,試料全体のT1に対するT2をプロットしたグラフを図に示す.このように,PDはほぼ一様であり,T1とT2の分布は酷似し,これらの相関は高い.さて,全撮像時間を一定とし,T1WIとT2WIで隣接する組織のCNRを最大化するためには,TR~T1/2,TE~T2とすれば良い.脳神経系と腹部臓器のT1は200~800ms,T2は8~25msに分布しているため,T1WIでは,TRを100ms~400ms,T2WIではTE~20msにすべきと判断した.ただし,T2WIでは, 良好なCNRを得るためには,TRを長くする必要があり,また短いT2のためFSEも有効ではないため,TR=100~400msのT1WIが高分解能撮像には有用であると結論した.