第42回日本磁気共鳴医学会大会

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ポスター

マイクロイメージ・基礎

マイクロイメージ・基礎

Sat. Sep 20, 2014 9:30 AM - 10:12 AM ポスター会場 (5F ロビー)

座長:服部峰之(産業技術総合研究所 電子光技術研究部門光センシンググループ)

[P-3-214] マイクロイメージングにおけるセグメンテーション誤差の検討

森脇聡1, 寺田康彦1, 巨瀬勝美1, 拝師智之2, 瀬古澤由彦3 (1.筑波大学大学院数理物質科学研究科, 2.(株)エム・アール・テクノロジー, 3.筑波大学大学院生命環境科学研究科)

【背景・目的】
MR画像から特定の部位を抽出する際,一般に閾値を設定しセグメンテーション行う.しかし,CNRが低い画像の場合,閾値の設定に観測者によるバラつきが起こるため,体積測定結果に誤差が生じる.そこで本研究ではMR画像の組織間のCNRの違いによる測定誤差を検討した.
【実験方法】
本研究では計測対象を果実の種子・維管束とし,Fig1に示すような,T1強調画像(TR/TE = 400 ms/12 ms,Matrix = 512×256×256,NEX = 2,Voxel size = (40μm)3,維管束と果肉のコントラスト比 ~ 2:1)で得られた梅果実の画像と,果肉内に種子や維管束など様々なサイズの組織が存在する果実を模した数値ファントム(Fig.2)を使用した.部分体積効果を考慮するために,4096×4096画素のデータを256×256画素のデータに平均化させた.また,数値的にホワイトノイズを加え,組織間のCNRと面積測定誤差の関係を調べた.
【実験結果】
ヒストグラムからCNR>6.6以上では領域を完全に分けることができるため,面積測定誤差は1%以下であった.CNR<5.4になるとノイズにより,ヒストグラムの境界がボケるため,誤差が著しく増大する.以上より,果実維管束の体積計測を行う際,CNR>5.4であれば観測者による誤差はなく,CNRの低下に伴って,Fig.4式にしたがって,誤差が増大することが判明した.以上より,CNRが16.7であるFig.1をセグメンテーションした際の誤差は0.6%程度であると結論づけた.