第42回日本磁気共鳴医学会大会

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ポスター

安全管理

安全管理

2014年9月20日(土) 09:30 〜 10:06 ポスター会場 (5F ロビー)

座長:川光秀昭(神戸大学医学部附属病院 放射線部)

[P-3-222] 携帯型強磁場警報器を利用したMRI検査室の安全管理について

中嶋藍1, 秦博文1, 水上慎也1, 井上優介2 (1.北里大学病院 放射線部, 2.北里大学医学部 放射線医学(画像診断学))

【背景】近年、MRI装置の高磁場化、検査件数の増加などによりMRI検査室における磁性体吸着のリスクが高まっている。当院では2012年7月より携帯型強磁場警報器を導入して、MRI検査室の安全管理に利用している。本発表ではMRI安全管理目的での携帯型強磁場警報器の使用経験を報告する。【方法】 使用した携帯型強磁場警報器は大きさ79×30×17 mmで、重さは約35gである。感度設定が3段階で変更可能で、設定感度を超えると警報が鳴ると同時に、常時点滅しているLEDライトの色、および点滅間隔が変化する。MRI撮影室出入り口で警報が鳴るように設定した警報器、およびMRI装置ガントリ開口部から1.5m(寝台脇)で警報が鳴るように設定した警報器を用意した。前者はMRIエリア(前室を含む)内にMRI非対応の点滴台、車椅子、ストレッチャー等を持ち込む際に装着し、後者はMRI検査室内で使用するパルスオキシメータ(MRI対応だが、ガントリに近づけてはいけない製品)に常時装着する運用とした。【結果】 携帯型強磁場警報器は問題なく運用可能で、装着された物品の使用に支障を来さなかった。また、LEDライトの点滅により、MRIエリア内のMRI非対応製品の存在が明らかになった。導入後の約21ヶ月で、MRI検査室内へ大型磁性体が持ち込まれそうになり、実際に警報音が鳴ったヒヤリ・ハット事例は発生しなかった。MRI検査室内でパルスオキシメータを使用する際では、パルスオキシメータの設置位置を明確にすることができた。また、検査中の騒音があっても、警報音およびLEDライトの点滅で、付添い医師がパルスオキシメータをガントリに近づけようとする行為を防止することができた。【結語】携帯型強磁場警報器はMRI安全管理上、有用となることが推察される。