[P-3-229] 局所励起法(2D RF Excitation)を用いた脊髄描出能の検討
【目的】脊髄炎は脊髄が炎症を起こす疾患である。脊髄のように狭い空間で浮腫が起きると重い神経症状を呈することがある。MRIでは形態的に炎症の広がりを評価することはできるが、脊髄内の神経の評価は困難である。また、炎症の回復過程と神経細胞の回復過程には乖離がある。そこで、DTIを撮像し、FA値を計測することで損傷の大きさや回復過程を評価できるのではないかと考えた。これまで脊髄、特に頚髄のDTIは磁場不均一の影響を強く受け高分解能での撮像が困難であった。当院では局所励起法(FOCUS)を用いることで高分解能の撮像が可能となった。そこで、今回は高分解能で撮像するための撮像条件の検討を行った。【方法】自作ファントムを用い、DTIの撮像条件を変えFA値の評価を行った。dual spinecho、スライス厚、b-value、空間分解能の4項目について検討を行った。FA値はaverage、λshort、λlongで評価した。【結果】dual spinechoをonに、スライス厚を3mmでもっともFA値が高く、b-valueは800以上で拡散制限を反映する結果となった。【考察】FOCUSを用いることでreadoutをこれまで以上に短縮できるためTEの延長が起きるdual spinechoを用いてもFA値は高くなった。b-valueに関しては800以上で拡散制限を評価できると考えられたが、人体ではさらに細い神経線維を評価しなければならないため800以下のb-valueが使用できると考えられる。【結論】FOCUSを用いて高分解能DTIを撮像する条件の検討を行った。非選択励起法に比べ高分解能(スライス厚3mm、面内分解能0.6mm)の撮像が可能であると考えられた。