[P22-10] 体幹筋の減衰現象が陽性の眼筋型重症筋無力症は全身型へ移行しやすいか.
【目的】本邦では小児の眼筋型重症筋無力症(oMG)で,四肢筋の反復刺激試験で減衰現象を認める場合に潜在性全身型と診断され,全身型重症筋無力症(gMG)に準じた治療が推奨される.oMG成人例における体幹筋(僧帽筋)の減衰現象はgMGへ移行しやすいかを検討した.【方法】対象は2012年4月から2020年3月に診断時に反復刺激試験を受けたoMG 51例.そのうち,2年以上経過した35例の部位別の減衰現象陽性率(5%以上を陽性)を解析した.【結果】全51例のうち減衰現象陽性は27例で,顔面筋,僧帽筋でそれぞれ20例,17例だった.また2年以上経過した35例のうち,5例(14.3%)はgMGに移行した.そのうち減衰現象陽性例は,顔面筋のみと僧帽筋のみがそれぞれ1例ずつで,両方陽性の症例はなかった.僧帽筋陽性のgMGへの移行に対するオッズは0.01であった.【結論】oMG成人例では診断時の反復刺激試験で体幹筋の減衰現象陽性であってもgMGへ移行しやすいとは限らない.