日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

講演情報

一般演題ポスター

一般演題ポスター 体性感覚誘発電位・体性感覚誘発磁界

[P5-6] 筋萎縮性側索硬化症における痛覚関連誘発脳電位と注意機能障害との検討

原田祐三子, 中村友彦, 上田雅道, 鈴木将史, 勝野雅央 (名古屋大学 医学部 脳神経内科)

【目的】近年筋萎縮性側索硬化症(ALS)において小径線維の障害が報告されている。また、痛覚関連誘発脳電位は小径線維の障害のみならず注意障害との関連が指摘されている。【方法】23人のALS患者において皮内電気刺激法をもちいた痛覚関連誘発脳電位を行い、臨床病型・疾患期間・重症度・認知機能検査・神経伝導検査との関連について検討した。【結果】ALS患者の痛覚関連誘発脳電位の振幅は疾患期間・重症度・刺激強度・腓腹神経伝導検査・感覚症状の有無とは相関はなく、ALS患者ではコントロールに比較して振幅が有意に低下していた。またhabituationや注意力の変動に伴う振幅の減衰はALS患者において有意に大きくなっていた。振幅やその減衰は、認知機能との相関を認め、特に注意機能と強い相関を認めた。【結論】ALS患者で痛覚関連誘発脳電位の振幅低下があり、小径線維の障害より認知機能、特に注意力や集中力の低下に関わっている。