[P9-9] 横隔膜超音波で呼吸機能評価を追跡し得た抗ミトコンドリア抗体陽性筋炎の1例
【症例】46歳女性.原発性胆汁性肝硬変で他院通院中.X-4年,四肢近位筋筋力低下,筋痛が出現.X-1年より労作時呼吸苦を認め,呼吸不全が進行し当科に入院,2日目に挿管,人工呼吸器管理となった. 抗ミトコンドリア抗体陽性,大腿MRIの脂肪抑制で筋肉に高信号域あり,筋生検で壊死再生線維を認め,抗ミトコンドリア抗体陽性筋炎と診断した.呼吸筋障害の評価として横隔膜超音波を行った.治療開始前の横隔膜厚は吸気時 1.3/1.2 mm(右/左),横隔膜移動距離は5.8 mmであった.治療開始後,呼吸状態は改善傾向を認め,治療36日後に吸気時 1.8/2.9 mm,移動距離 23.5 mmと改善を認めた.
【考察】初診時に呼吸不全のため呼吸機能検査を実施できなかった症例で,横隔膜超音波にて治療開始前後の横隔膜厚と移動距離を評価することができた.経時的に追跡することは呼吸筋障害の治療効果判定や呼吸機能検査ができない場合での診断の一助となる可能性がある.
【考察】初診時に呼吸不全のため呼吸機能検査を実施できなかった症例で,横隔膜超音波にて治療開始前後の横隔膜厚と移動距離を評価することができた.経時的に追跡することは呼吸筋障害の治療効果判定や呼吸機能検査ができない場合での診断の一助となる可能性がある.