第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

講演情報

一般演題(eポスター)

PDFポスター » 3.悪性腫瘍・補助療法

3.悪性腫瘍・補助療法

[P03-05] 上顎歯肉癌多発肺転移に対する化学療法中に続発性気胸を生じた1例

〇多田 晋也1、末松 基生1 (1.明和病院 歯科口腔外科)


ポスターを表示

【緒言】上顎歯肉癌の対側リンパ節転移,多発肺転移に対する化学療法中に続発性気胸を生じた1例を経験したので報告する.

【症例の概要】患者は74歳女性.左側上顎歯肉癌(T2N0M0)の診断の下,上顎部分切除術を行い,1か月後同側頸部リンパ節後発転移に対してMRNDと術後照射を行った. 4か月後に右側頸部リンパ節転移,多発肺転移を生じたため,キャンサーボード後PCE(Paclitaxel, Carboplatin, Cetuximab)療法を4クール施行.腫瘍が縮小から増大に転じたため,Nivolumabに変更し3クール施行したところ,肺転移巣はさらに増大し空洞形成を認めた.その後PCEを再開したところ,右側気胸を発症した.胸腔ドレナージによる自然閉鎖は期待できず,胸腔鏡下右肺上葉切除,下葉部分切除術を施行した.気胸発症後約2か月,化学療法は中止を余儀なくされ,病状の急速な進行により呼吸不全で死亡した.

【結語】転移性肺腫瘍は続発性気胸を発症することがあり,空洞形成を生じた際は特に注意が必要と考えられる.またCetuximabやNivolumab使用中の気胸発症例も散見されることから今後の検討課題であると思われる.