第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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3.悪性腫瘍・補助療法

[P03-17] 温熱療法を併用したTRAILの頭頸部扁平上皮癌に対する抗腫瘍効果

〇小原 豪1、岡部 一登2、太田 優也1、山本 憲幸2、日比 英晴1 (1.名古屋大学大学院 医学系研究科 頭頸部・感覚器外科学講座 顎顔面外科学、2.名古屋大学大学医学部附属病院 歯科口腔外科)


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【緒言】免疫サイトカインである腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)は,がん細胞のアポトーシスを選択的に誘発し,生体内で毒性を引き起こさないことから,新たながん治療薬として注目されている.しかしTRAILに耐性を持つがん細胞が存在し,頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)もその一つであることが報告されている.本研究ではTRAILを温熱療法と併用することで,HNSCCに対する抗腫瘍効果を明らかにする.【材料・方法】温熱療法を施行したHNSCCにおけるTRAIL receptorの発現をRT-PCR法,Western blot法,蛍光免疫細胞染色で評価した.温熱療法を施行したHNSCCにrhTRAILを添加し,細胞増殖能およびフローサイトメトリーでアポトーシスの評価をした.【結果】温熱療法によりHNSCCにおけるTRAIL receptorの発現は増強した.温熱療法とTRAILを併用すると,HNSCCの細胞増殖能が有意に低下し,アポトーシスの誘発が有意に増加した.【結論】温熱療法を併用することでTRAILのHNSCCに対する抗腫瘍効果は増強し,その作用はTRAIL receptorが関与する可能性が示唆された.