第39回一般社団法人日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

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3.悪性腫瘍・補助療法

[P03-24] 当院における選択的動注化学放射線療法の治療成績

〇山﨑 雅恵1、藤井 亜理沙1、齋藤  寛一1、鈴木 大貴2,1、大金 覚2、野村 武史1,2、高野 伸夫2 (1.東京歯科大学 口腔腫瘍外科学講座、2.東京歯科大学 口腔がんセンター)


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諸 言:口腔癌の手術不能症例や局所進展において、術後機能温存を考慮した化学放射線療法は選択肢の1つである。当センターでは、血管内治療専門医(IVR医)の協力のもと、選択的動注化学放射線治療(動注)を選択肢の1つとして提供している。レジメンはJCOG1212試験に準じたWeekly High dose CDDP (100mg/㎡, 4-7回;RADPLAT)を選択している。今回、治療成績の評価を目的とし、当院で施行した動注療法の予後と経過について検討を行った。

対象および方法: 2020年6月までに東京歯科大学口腔がんセンターで動注療法を施行した28例を対象とした。N(-)症例は照射を局所のみとし、N(+)症例は動注放射線療法または予定頸部郭清の方針としている。対象の治療経過および予後について評価した。

結 果:内訳は男性19例、女性9例、平均68.6歳だった。原発は歯肉が最も多く17例だった。一次症例は25例でStageⅣが26例だった。N(+)症例は20例で、頸部に対し手術を併用したのは5例だった。局所効果判定はCR8%、PR72%、PD20%だった。頸部の制御率は28%で、36%に頸部転移と頸部再発を認めた。全生存率は2OSが65.0%、3OSが32.5% 5OSが6.5%だった。2DFSは45.1%で他臓器転移は無く、死亡原因のほとんどが頸部非制御によるものだった。
考 察:生活の質を低下させない利点から、進行症例では治療戦略の1つの選択肢として有用であると考える。しかし、局所制御に関して動注化学放射線療法は高い制御率を示すものの、過去の報告と同様に頸部病変の制御が課題であった。