[P03-26] ATR inhibitor enhances heat sensitivity of oral cancer cells
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【目的】温熱処理により、細胞にとって致死的なDNA損傷であるDNA二本鎖切断が引き起こされることが知られている。また、温熱処理によるDNA二本鎖切断は、主に相同組換えによって修復される。DNA損傷により活性化するセンサーキナーゼであるATRは、相同組換え修復が機能するS/G2期におけるチェックポイント機構として重要な役割を担う。今回、ATRを選択的に阻害することによる温熱感受性への影響について検討を行った。
【材料および方法】本研究では、ヒト口腔扁平上皮がん細胞株であるSASとHSC3を用いた。細胞に対して、温熱処理、比較対象に放射線照射を行った。western blottingにてATRの自己リン酸化（Thr1989）の検出を、免疫染色にてヒストンH2AXのリン酸化（γH2AX）の検出を、Hoechst33342染色にてアポトーシスの検出を行った。また、コロニー形成法にて細胞生存率を算出した。各処理において、ATR阻害剤、ATM阻害剤、DNA-PK阻害剤を併用し、増感効果についても検討を行った。
【結果】温熱処理によりATRの自己リン酸化が検出された。温熱処理にATR阻害剤を組み合わせることによって、γH2AXやアポトーシスの誘導が増加した。さらに、温熱処理にATR阻害剤を組み合わせることにより、細胞生存率が低下した。
【結論】ATR阻害が温熱感受性増強に有効であることが示された。