第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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一般口演

1-10 心筋心膜疾患

一般口演-12
心筋症

Thu. Jul 16, 2015 10:00 AM - 10:50 AM 第8会場 (1F シリウス B)

座長:
小林 富男 (群馬県立小児医療センター)
加藤 太一 (名古屋大学医学部附属病院)

I-O-56~I-O-60

[I-O-59] 乳児期診断の心筋緻密化障害の治療

福見 大地1, 大橋 直樹1, 西川 浩1, 大森 大輔1, 江見 美杉1, 山本 英範1, 櫻井 一2, 山名 幸治2, 野中 利通2, 櫻井 寛久2, 大塚 良平2 (1.中京こどもハートセンター 小児循環器科, 2.中京こどもハートセンター 心臓外科)

Keywords:心筋症, 緻密化障害, 治療

<背景>心筋緻密化障害(NCV)は胎生期の異常に伴う心室壁の過剰な網目状の肉中形成と深い間隙を特徴としWHOでunclasified caridiomyopathyのひとつとして分類されている。乳児期発症例の予後は不良とされている。当院でのNCVの成績を検討した。<対象/方法>2001年より14年間に乳児期より当院で診断、加療された7例。カルテより後方視的に発症時期、症状、心内合併奇形、右室合併、所見、治療などにつき検討した。<結果>診断の契機は心雑音(3/7)チアノーゼ(2/7) 心不全(1) 胎児エコー(1/7) ,発症時月齢は生後1日~生後6カ月(平均1.45カ月),発症時症状は心不全(4/5) チアノーゼ(1/5)であった。診断は全例エコーでされ、後日造影4例、MRI1例、病理検査1例行っていた。RV合併例3/7,不整脈の合併はQT延長1例のみであった。内科的治療はβブロッカー(3/7) ACE/ARB(5/7) aspirin(5/7) PDEi(3/7)で近年はほぼ4剤併用されている。合併心奇形はebstein ASD1例, m-VSD1例,ASD hypo RV1例,m-VSD1例,pmVSD1例で、外科的治療はMVR1例,PAB後VSD閉鎖1例 ,心移植が1例であった。死亡例は検討期間では1例もみられなかった。1例はRCM型の予後不良症例で、1歳6カ月で心移植に成功した。また最新の1例は中程度の膜様部VSDと診断されていた症例であったが、でショック発症後同日に緊急カテ、PABを行い、心機能の回復がみられ、生後2カ月で心内修復を行い、現在経過良好である。<考察>早期診断、必要に応じて外科的介入していくことで救命が可能であった。また2009年以降の症例ではβブロッカー、ACE,アスピリンの導入を積極的に行っており、心機能回復の一助になっていると思われる。<まとめ>乳児期発症のNCVは予後不良とされているが、適切な外科的治療と積極的内科治療の導入によるトータルマネージメントが生命予後の延長につながることが期待される。