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[II-OR111-03] 心房中隔fenestration周囲へのグラフトマーカー縫着が有用であった2例
Keywords:TAPVC、PVO、fenestration
【背景】TAPVC術後PVOに対するカテーテル治療のため心房中隔にfenestrationを作成するが、fenestrationの閉鎖、狭窄により治療が困難となる場合がある。fenestration閉鎖対策として周囲にグラフトマーカー縫着を行い、有用であったので報告する。【症例1】1歳女児。TAPVC(1a)の診断で日齢1common PV-LA吻合によるTAPVC repair施行。術後2カ月時に左右PVのPVOに伴う心不全が増悪したため、rt. PVに対しsutureless technique, lt. PVは組織切除によるPVO releaseを行った。その際心房中隔は4mmのfenestration周囲にグラフトマーカーを縫着したパッチを用いて閉鎖した。術後lt. PVの再狭窄に対するカテーテル治療を試みた際にfenestrationの閉鎖を認めたが、グラフトマーカーをガイドにガイドワイヤーの後端を用いて穿通し、バルーン拡張術を行うことができた。その後も繰り返しカテーテル治療を行い、LPVの開存を得られている。【症例2】5か月女児。TAPVC(1a)+DORV(subaortic VSD)に対し、日齢41 commonPV-LA吻合によるTAPVC repairおよびVSD closure施行。心房中隔は3.5mmのfenestration周囲にグラフトマーカーを縫着したパッチを用いて閉鎖した。術後吻合部狭窄を認め、カテーテル治療を施行。マーカーをガイドにすることで容易に左房にカテーテルを挿入することができ、バルーン拡張術が可能であった。【結語】カテーテル治療のためASD fenestrationが必要な症例においてはfenestration周囲にグラフトマーカーを縫着しておくことでfenestrationが閉鎖・狭窄してもinterventionが可能となる。