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[P26-02] 非通常型房室結節リエントリー性頻拍(AVNRT)に高周波カテーテルアブレーション(RFCA)を行ったBeckwith-Wiedemann症候群の1例
Keywords:Beckwith-Wiedemann症候群、非通常型AVNRT、カテーテルアブレーション
【背景】Beckwith-Wiedemann症候群は10-30%心疾患を合併するが、不整脈の実態は明らかでなく発作性上室性頻拍(PSVT)の報告はない。【症例】7歳女児【経過】他院で在胎40週3日、4060gで出生し、巨大児、右側巨舌、低血糖、耳垂線状溝からBeckwith-Wiedemann症候群と診断した。生後1時間で心拍数250のPSVTが出現し、ATP、ジソピラミド、ジゴキシン投与の上、当科に転院した。心エコーは正常で収縮力も保たれおり、プロプラノロール、ジゴキシンを併用したがPSVTが頻発し、アイスバッグによる迷走神経刺激も適宜行った。long RP頻拍であり、心電図からは心房頻拍を疑った。RSウイルス罹患を機にPSVTが増悪しフレカイニド内服を開始した。以後、外来ではアテノロールとフレカイニドで管理したが、頻拍発作を月数回認めていた。今回、RFCAを行った。SVT中の所見から非通常型AVNRT(fast-slow型)と診断した。CS内でVA再早期興奮部位を認め通電したがSVTは誘発された。CS上縁では良好なjunction beatを認めるもSVTは誘発された。SVT中にCS下端・前方に再早期興奮部位を認め通電し頻拍は停止した。イソプロテレノール負荷による誘発でもSVTの再発なく終了した。内服薬を中止し半年間再発なく経過している。【考察】PSVTの多くはWPW症候群や通常型AVNRTによるshort RP頻拍であるが、long RP頻拍の頻度はそれほど多くない。long RP頻拍では心房頻拍と非通常型AVNRTが鑑別にあがるが、EPSにより後者と診断できた。また、薬物治療ではフレカイニドが一定の効果を認めた。生後1時間で発症したことから興奮旋回路の先天的構造異常が示唆されるが、過成長で特徴づけられる本症候群との因果関係は不明で症例の蓄積が重要と考え報告する。