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[P26-03] 乳児早期にペースメーカー植え込み術を行ったheterotaxyにおける房室ブロックの3例
Keywords:heterotaxy、房室ブロック、ペースメーカー
【背景】heterotaxyでは出生時から房室ブロックを伴うことがあり、ペースメーカー植え込み術を早期に必要とすることがある。また正常心の房室ブロックと比べても、heterotaxyに合併した場合は予後が悪い。【症例】症例1 在胎35週5日、出生体重2384g、女児。診断は、dextr, DORV, PA, interrupted IVCで胎児期より2度房室ブロックを認めており、出生時は心室レート50/minの完全房室ブロックであった。Isoproterenol持続静注を開始し、待機的に体外式ペースメーカー植え込み術の予定であったが、日齢11にhigh flow shockとなり準緊急的に体外式ペースメーカー (DDD, 140/min) 植え込み術を行い経過良好である。症例2 在胎38週4日、出生体重2930g、男児。診断は、Dextr, TAPVC(2a), VSDで、生後1ヶ月でTAPVC repairとVSD closureを施行した。出生後よりmobitz2型の房室ブロックがあり、心室レート70/minで経過していたが、繰り返す心不全症状のため生後4ヶ月で恒久式ペースメーカー (DDD, 100-140/min) 植え込み術を施行し経過良好である。症例3 在胎37週2日、出生体重2266g、男児。診断は、dextr, DORV, bilateral SVC, AS, PS, PDA, IVC interruptionで胎児期より完全房室ブロックを認めており、日齢6に体外式ペースメーカー植え込み術を施行した。生後1ヶ月で恒久的ペースメーカー (DDD, 90-120/min) に変更したが、生後3ヶ月に喉頭炎で入院中に突然Vfから心肺停止となりCPRに反応せず死の転帰をとった。【考察】heterotaxyにおける房室ブロックは、high flowを助長する場合や容易に低心拍出になる場合があり、ペースメーカー植え込み術の時期やペーシング部位には十分な注意を払う必要があると思われる。