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[P26-04] 当院で小児期に施行されたペースメーカー植込における遠隔期リード断線の検討
Keywords:リード断線、ペースメーカー、遠隔期
【背景】先天性完全房室ブロックや先天性心疾患術後の致死性徐脈性不整脈に対するペースメーカー植込(PMI)について、遠隔期の閾値上昇や心外膜リード断線によるペーシング不全や同期不全は生命予後に関わる問題であるが、遠隔期に断線する症例の特徴は明らかにされていない。【目的】小児期PMI遠隔期のリード断線例の特徴を明らかにする。【方法】1983年から2009年にかけて当院でPMIを施行した症例33例のうち、リード断線10例についてPMIの身長や体重、断線までの期間等を後方視的に検討した。【結果】33例中4例は診療情報が不充分、2例はPMI術後1年以内に死亡、1例は経過中2度リードが断線したため、検討症例から除外した。検討症例は26例、PMI時の年齢は日齢6から6歳。リード断線群10例において、断線時の平均身長は136.2 cm(114-169cm)、平均体重33.5 kg。断線までの期間はPMI後平均8.4年(中央値7.1年)であった。対照群との比較では、PMI時の身長、体重、月齢で有意差を認めた。また7歳未満でのPMIはリード断線の高リスク群と考えられた。【考察】ペースメーカー植込後のリード断線の予測は困難であるが、7歳未満でPMIを施行した児、身長136cm前後の時期、PMI後より約7年経過した時期はリード断線が有意に多かった。【結論】自脈が少ない患者のリード断線は生命予後に影響する可能性があり、リスク因子を有する時期には特に注意して観察することが重要である。