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[P50-04] 30歳以上のAPC fontan症例に対する肺血管拡張薬の使用とその効果
Keywords:フォンタン、肺高血圧治療薬、成人先天性心疾患
【背景】fontan循環において経年変化に伴う肺血管抵抗の増大は避けられない。同時にAPC fontanは、心房の拡大による不整脈や血栓生成などのリスクが高くその管理に苦慮する。【目的】30歳以上のAPC fontan症例に肺血管拡張薬を使用し、その効果を報告する。【症例および結果】症例1:34歳男性、左室型単心室にて7歳時にAPC fontanが施行された。24歳時にchronic AfのためVVIのペースメーカーが留置された。32歳時に評価のため心臓カテーテル検査目的に当科を紹介された。mPA:23/20 m 20mmHgのためBosentan、続いてSildenafil導入後、心臓カテーテル検査施行した。mPA:16/14 m14mmHgまで下降した。COは、3.5と変化なかった。特筆すべきは、肺血管拡張薬導入前の左右PCWに差違はなかったが、導入後左右差があり、PVOが明らかになった。症例2:32歳男性、TA1bで6歳時に、BDGおよびAPC fontan施行された。24歳時に心臓カテーテル検査施行され、mPA:16/15 m 16mmHgでTCPC conversionも考慮されたが、保留となり、経過観察されていた。32歳になって続けざまに2度ATを発症し、Ambrisentan導入後、心臓カテーテル検査施行され、mPA:8/7 m 6mmHgまで下降した。COは、5.7から5.3へ下降した。【考案】近年、多種の肺高血圧治療薬が開発され、fontan患者に対して使用し良好な成績を示していることが報告されている。今後、症例の積み重ねと共にfailing fontan症例の減少やAPCからTCPC conversionへのシフトなどの応用、より効果的で副作用の少ないcombination therapyの実践が望まれる。