第52回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

BTシャント、その他

ポスターセッション-外科治療08(P77)
BTシャント、その他

2016年7月7日(木) 18:00 〜 19:00 ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
平松 祐司(筑波大学 心臓血管外科)

P77-01~P77-06

18:00 〜 19:00

[P77-03] 最近10年間にBlalock-Taussig shunt変法を施行した122症例における合併症の検討

伊藤 裕貴1, 北野 正尚1, 市川 肇2, 鍵崎 康治2, 帆足 孝也2, 黒嵜 健一1, 白石 公1 (1.国立循環器病研究センター 小児循環器科, 2.国立循環器病研究センター 心臓血管外科)

キーワード:BTS、ファロー四徴症、動脈管ステント

【背景】Blalock-Taussig shunt変法 (mBTS)は標準的な一治療法であるが、過去の報告では死亡・合併症ともに少なくない。【目的】近年におけるmBTS後の死亡・合併症の種類、頻度に関する検討【方法】2006年1月から2015年12月までの10年間に当院でNorwoodを除くmBTSを施行した122症例(女児65)を対象に検討した。【結果】 mBTS施行時の日齢は0~1671(中央値41)、体重は2.2~15.1kg(中央値 3.4)。心疾患の内訳はTOF (n=54); PA・IVS (16); UVH (24); cTGA (9); 他 (19)。基礎疾患は21 trisomy (15); 無脾症候群 (7); 22q11.2del (2)。BTS径は3.5mm(n=49);4.0mm(58);5.0mm(14)。 認められた急性期合併症は、重篤なものが5症例 (4%):体循環不全からの死亡 (1)、消化管穿孔 (3)、敗血症からの死亡 (1); 重篤でない合併症は縦隔炎 (2)、創部感染 (6)、反回神経麻痺 (8)、乳び胸 (8)であった。慢性期合併症はBTS閉塞 (1)。【考察】最近でも尚、mBTS術後の合併症は少なくはない。3.5mm径BTSを基本にしても、体循環不全から消化管穿孔や死亡が発生している。また反回神経麻痺、横隔神経麻痺、乳び胸は残存すればFontan candidateにとっては極めて好ましくない。近年海外で報告されている動脈管ステント留置は適応・手技法を厳密にすればBTSと同等の効果でかつ合併症を減少させる可能性がある。【結論】mBTSは近年でも重篤なものを含めた合併症が多い。