The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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要望演題

集中治療と周術期管理

要望演題1(YB01)
集中治療と周術期管理

Wed. Jul 6, 2016 3:40 PM - 4:40 PM 第E会場 (シンシア ノース)

座長:
根本 慎太郎(大阪医科大学外科学講座 胸部外科学教室)
上田 秀明(神奈川県立こども医療センター 循環器科)

YB01-01~YB01-06

3:40 PM - 4:40 PM

[YB01-03] 超音波横隔膜麻痺診断における膜筋厚変化率の有用性

野崎 良寛1, 加藤 愛章1, 城戸 崇裕1, 林 立申1, 中村 昭宏1, 榎本 有希1,2, 高橋 実穂1, 松原 宗明3, 平松 祐司3, 堀米 仁志1 (1.筑波大学附属病院 小児科, 2.筑波大学附属病院 救急・集中治療科, 3.筑波大学附属病院 心臓血管外科)

Keywords:横隔神経麻痺、超音波、術後管理

【はじめに】横隔膜麻痺(Diaphragmatic Paralysis: DP)の確定診断はX線透視で行われているが、近年超音波検査で代用され浸透しつつある。“変位法”による腹部にプローブをあて、吸気時に近づくかの観察では、腸管ガスのため横隔膜が観察できないことがある。一方、“DTF法”(Diaphragm Thickness Fraction)では横隔膜付着部位で、吸気時に横隔膜収縮が厚みを増すことを観察するため、腸管ガスの影響を受けず、より診断能力が向上することが期待される。【目的】小児において横隔膜超音波検査におけるDTF法の有用性を検討する。【対象と方法】我々は先天性心疾患術後患者で、人工呼吸器離脱前後に努力呼吸があった患者に横隔膜超音波検査を施行している。2015年1月~12月にかけて、心臓手術が施行された小児患者のうち、超音波により変位法とDTF法の両者を用いて評価した8例を後方視的に検討した。横隔膜麻痺の定義は、変位法では吸気と一致した横隔膜の尾側への運動がない場合、DTF法では、第11肋間腋窩中線付近の横隔膜付着部位における、呼気から吸気にかけた横隔膜の厚みの増加率が20%未満の場合とした。超音波で横隔神経麻痺を指摘された例はX線透視検査で診断確定をした。【結果】8例は手術時日齢14~月齢7(中央値:月齢3)で、術後8~37日(中央値:15.5日)に横隔膜超音波検査を施行した。うち5例は横隔神経が走行する肺門部付近の手術(両方向性Glenn1例、大動脈縮窄修復術2例、m-BTシャント2例)が行われた。4例が最終的にDPと診断され、変位法では3例にDPを指摘できたが、DTF法では全例DPを指摘できた。【考察】DPの診断において、特に安静保持が必要な重症患者においても、移動を必要とせず反復しても被曝せずに評価が出来る横隔膜超音波検査は有用である。DTF法を併用することでDPの確定を超音波のみで行える可能性がある。