第53回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

E-Oral Presentation

外科治療/外科治療遠隔成績

E-Oral Presentation 1 (I-EOP01)
外科治療/外科治療遠隔成績

2017年7月7日(金) 18:00 〜 19:00 E-Oral エリア (1F 展示イベントホール)

座長:盤井 成光(大阪母子医療センター 心臓血管外科)

18:00 〜 19:00

[I-EOP01-03] 心臓手術後横隔神経麻痺に対する胸腔鏡下横隔膜縫縮術の経験

五味 聖吾, 大泉 弘幸, 中井 信吾, 渡邉 大介, 林 潤, 大場 栄一, 山下 淳, 加藤 博久, 浜崎 安純, 内田 徹郎, 貞弘 光章 (山形大学 医学部 外科学第二講座)

キーワード:横隔神経麻痺, 横隔膜縫縮術, 胸腔鏡

【背景】小児心臓血管手術後の横隔神経麻痺は人工呼吸の継続や在宅酸素などを要することも多く、速やかな横隔膜縫縮術が望まれるが、従来の側方開胸による横隔膜縫縮術においては合併症に対する新たな創が生じることに躊躇することもある。我々は心臓手術後の横隔神経麻痺に対し、胸腔鏡下横隔膜縫縮術を導入しており、その経験を報告する。【症例1】11か月 6.9kg 完全房室中隔欠損根治術後の左側房室弁閉鎖不全に対する再房室弁形成術後に左横隔神経麻痺で呼吸補助必要としたため、胸腔鏡下横隔膜縫縮術を施行した。 全身麻酔、非分離肺換気、左側臥位で第7肋間前腋窩線15mm、第8肋間中腋窩線4mmおよび5mmポートを留置、snake retractorで左下葉を頭側に圧排、第10肋間に4mmポートを追加し、4対の4-0および3-0Prolene 結節縫合で横隔膜縫縮施行。 術後1日に人工呼吸器より離脱した。【症例2】2歳 9.2kg ファロー四徴症根治手術後右室流出路狭窄の残存あり、再右室流出路形成術施行。 術後右横隔神経麻痺あり、呼吸状態は概ね安定していたためHOT導入し外来経過観察とした。外来経過観察中横隔膜挙上に改善なく呼吸器感染を繰り返したため、術後9か月時に横隔膜縫縮術を施行した。全身麻酔、分離肺換気、側臥位。第7肋間前腋窩線に10mm、第9肋間中および後腋窩線にそれぞれ5mmポートを留置、第11肋間3mmポートからの鉗子で横隔膜を尾側に圧排し 4対の4-0および3-0Prolene 結節縫合で横隔膜縫縮施行。手術室抜管、軽快退院した。【考察とまとめ】我々の教室では科内に心臓血管外科、呼吸器外科、小児外科の3つのグループによる診療が行われており、スムースな支援体制が可能であった。体重7kg程度までは胸腔鏡下で横隔膜縫縮術が完遂可能であったが、デバイスのサイズには改善を要する。